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【ライフナビ通信 第124号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
■□■□■□■□■□■□■□<2015年9月4日>
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目次
◎今日のテーマ
【明日この世を去るとしても、】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【明日この世を去るとしても、】
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こんにちは。
最近、我が家のマイブームがまたひとつ増えました。
それは何かというと、自宅で手軽に炭酸水が作れる
炭酸水製造機。
コーヒーメーカーを縦長にしたような形状なんですが。
冷やした水を専用ペットボトルに9合目くらいまで入れ、
この製造機にセットし、炭酸を注入すると日頃買って
飲んでいるのと変わらない炭酸水の出来あがり。
1か月ほど前に購入したのですが、毎朝これで炭酸水
を作るのが意外と楽しくて、クセになっています。
また、爽快なのど越しと満腹感も味わえるので、朝食は
リンゴ2切れほどとこの炭酸水で、結構腹もち感があって、
ダイエットにも良いのではと、勝手に思っている
今日この頃です。
別にここの会社のまわし者ではありませんが、ご興味が
ある方は、「ソーダストリーム」で検索してみてください。
さて、今日の本題は打って変わってシリアスな内容です。
「がん哲学外来」という施設をがん患者とその家族の
ために開設したある医学博士のお話です。
題して、
【明日この世を去るとしても、】
では、本文に入ります。
■あなたが、もし「がん」と診断されたとしたら?
そして、医師から余命宣告を受けたとすると、残され
た時間をどのように使うでしょう?
のっけから、かなり重たい質問を投げかけましたが、
順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授の樋野興夫
さんは、自著の本でこのように語っています。
■私なら、まずがんであることを受け入れることから
始めて、次に人生の優先順位を考えるでしょう。
自分にとって本当に大切なものは何かと模索します。
人生において本当に大切なものは少ない。あったと
しても一つや二つぐらい。私はその一つ二つに一生
懸命になるはずです。
■人は目的を失ったときに弱くなる。生きる希望を
無くした途端にもろくなる。
そんなとき、まわりの人たちはどのように患者さんを
勇気づけたらいいのでしょうか。
樋野教授は、日々接するがん患者さんたちに言葉の
処方箋を出されているそうです。
■『明日この世を去るとしても、今日の花に水を
あげなさい』(幻冬舎)
私は、樋野さんのこの新著を読ませてもらって、様々
な気づきをいただきました。
人は、多くの悩みや問題を抱え、そのプレッシャーに
押しつぶされそうになることもあるかも知れないけど、
そのほとんどが振り返って考えてみると取るに足らな
いどうでもよかったことだったりする。
■様々なことを同時にああでもないこうでもないと
煩わされているより、今目の前にあることに集中し、
全力を傾ける。
すると、今までネガティブなことを思わず考えて
しまっていた時間が排除され、人生の質が高まって
いるような気になってくるものですね。
私の場合、気になることがあったりすると夜中に目覚め
そのことに煩わされて、なかなか寝付けないことも多か
ったのですが、思い切って朝4時起きの朝方生活の
習慣にしたところ、寝付けなくなることがなくなりました。
■このメルマガも今までは、夜中にうつらうつらしながら
書くことも多かったのですが、朝起きて一気に書いている
と今までのペースより断然筆の進みが早いのを感じます。
話を樋野さんの新著に戻すと、樋野さんは患者さんに
対して、ある問いかけをするそうです。
それは、「自分は何のために生まれてきたのか」という
こと。
■「がんになるまではそんなことは一度も考えたことが
なかった」という患者さんが、「人生と向き合うきっかけ
は、思いがけない形で与えられるものなのですね」と
言われるそうです。
なかには、「病気になってよかった」とまで言う患者さん
もいるそうで、内向きになった心を言葉の処方箋によっ
て外向きに変える効果はてきめんのようです。
そして、患者さんの心を内向きから外向きに変える
もうひとつポイントは、関心を自分から他者を思う心
にベクトルを移すことにあるようです。
■明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげる
ことで、今できる自分の役割を認識することができ、
心の平穏を保てるのかも知れません。
自分は、何のために生まれてきたのか?
人生と向き合うきっかてとして、こんなことを考える
時間を持ってみるのも良いかもしれませんね。
ということで、今日のところはこの辺で。
では、次回の【ライフナビ通信】をお楽しみに。
2015年8月7日【第123号】広島みはら港町、あるパン屋さんのお話
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【ライフナビ通信 第123号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
■□■□■□■□■□■□■□<2015年8月7日>
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目次
◎今日のテーマ
【広島みはら港町、あるパン屋さんのお話】
◎編集後記
◎夏季休業のご案内
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◎今日のテーマ
【広島みはら港町、あるパン屋さんのお話】
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こんにちは。
先日、ある目的を持って、広島県の三原市に行って
来ました。
昔は、三菱重工をはじめとする日本を代表するいくつか
の企業城下町として、かなり栄えた町だったそうですが、
今では人口も10万人を切り、瀬戸内海ののどかな港町
という風情を感じました。
三原に行って、まず最初に立ち寄ったのが、三原駅から
車で5分程度の高台にある「神明の里」という道の駅。
ここから見晴らす三原の町と瀬戸内海の島々の風景は、
日頃あくせくと暮らしている私にとっては、心休まる郷愁
を誘い、暫しの小旅行気分を味わうことができました。
そこで、瀬戸内の海の幸が豪華に盛り付けられた海鮮丼
を堪能し、いざ今回の旅(?)の目的である、とある会社の
社長に会いに行って参りました。
ということで、本日はそちらの社長のお話とその会社に
ついて、触れさせていただきたいと思います。
題して、
【広島みはら港町、あるパン屋さんのお話】
では、本文に入ります。
■八天堂という会社をご存知ですか?
広島県三原市で昭和八年から続く歴史あるパン屋さん
なのですが、これがそんじょそこらにあるパン屋さんとは、
大違いなのです。
八天堂さんの名物は、なんと言っても“くりーむパン”。
八天堂さんのホームページ
http://hattendo.jp/
■ひとつひとつを手作りにこだわり、昔懐かしい包装紙
に包まれたくりーむパンは、菓子パンというカテゴリーと
言うよりむしろスイーツという感覚。
地元三原で知らない人はいない繁盛店で、昼頃には
もう売り切れてしまうこともしばしば。私が伺った日も
昼過ぎには、既に売り切れ状態でした。
その八天堂さん、東京をはじめ、大阪、名古屋、福岡、
岡山に次々に出店し、今ではその名を全国に轟かせ
つつあるのです。
■いや、日本国内のみならず、既に韓国、フィリピンは
出店済み。今後香港、シンガポール等アジアの主要
都市の出店も視野に入れ、海外展開も着々と進めて
いる優良企業さんなのです。
実は私、2年ほど前からJR大阪駅構内で出店していた
八天堂さんの存在が、とても気になっていました。
『広島みはら港町。創業昭和八年。八天堂。』
店の看板はいたってシンプル。
■「えっ?広島三原のくりーむパンがなんでこんなところ
で営業しているの?」
しかもこのくりーむパン、手土産や贈り物としてよく売れ
ているようで、今までにない発想のお店だと、商売人的
好奇心がムラムラと私のなかで湧き上がっていました。
それ以来、ちょくちょくうちのスタッフへのおやつとして
買って帰っていたのですが、本来のクリームパンと
シュークリームを足して2で割ったような食感で、これが
なんとも美味なんです。
■そんな私が、なぜわざわざ三原の八天堂さんの本社に
まで訪問することになったのか?
それは、この八天堂の社長の講演を、あるご縁で聞かせ
ていただく幸運に恵まれたから。
そして、私のなかで今まで以上に八天堂さんに大きな
関心を抱くようになりました。
■講演が終わった八天堂の森光社長のところにかけ寄り
名刺交換もそこそこに、「今日の講演の話をもう少し詳し
く聞かせていただけませんか」とお願いしたのです。
「うちの会社は、実は数年前倒産寸前の状況に追い込まれ、
当時広島県内に数店舗あったお店の社員が次々に辞めて
いき、社員が5名にまで減った時期があったのです。」
「その状態から業績がV字回復するきっかけになったのが、
2007年1月に作った会社の信条(クレド)でした。」
■『八天堂は社員のために。お品はお客様のために。
利益は未来のために。』
この言葉が、社長の肚から心底出てくるようになって、
会社が大きく変わり始めたそうです。
将来を担うような幹部社員候補が次々に入社し、社員が
辞めなくなり、社員が一丸となって会社のため、そして
お客様のために一生懸命働く機運が高まった。
■『企業は人なり』
私も含めて、私が関与させていただいている会社の社長
の悩みの多くは、人(社員)をどう生かし、どう成長させて
いくかということに尽きると言って過言ではありません。
八天堂さんへの訪問で、人を中心に据えた数々の気づき
をいただくことができました。
会社をやっていくことができているのは、何といっても社員
のおかげであるという気持ちを忘れてはいけない。
そして、もちろんお客様、お取引先、家族への感謝も。
やはり、すべては人と人との関わりで世の中成り立って
おり、その人の“想い”“考え方”次第で人生はいかよう
にも変えることができると、あらためて感じた次第です。
本当は、もっと深い話までさせていただいたのですが、
続きはもう少し編集後記で書かせていただくとして、
今日のところはこの辺で。
では、次回の【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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八天堂の社長室のホワイトボードには20枚の顔写真
が入ったプロフィールシートが並んでしました。
今年の新入社員のメンバーのものだそうです。
さすが、社員を大事にする会社。
社長みずからしっかり社員のことに関心を持って、深く
かかわっていこうとされているんだなあと、さらに感心
いたしました。
全員が大卒で、しかも県外から採用された人がほとんど
ということで、みな会社の近くに下宿をするそうです。
地方都市での大卒採用となると地元出身者がUターン
就職することはあっても、何の縁もゆかりもない土地で
就職することはとてもまれなこと。
それだけ、会社に魅力や将来の夢を託せるものが
なければ、今どきの若者を魅了することはできない。
地方の過疎化が叫ばれて久しいですが、そんなハンディ
をものともしない八天堂さんの強さの秘訣を学ばせて
いただいたような気がします。