-
■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2025年3月21日【キーストーン通信2025年3月号】相続対策で見落としがちなポイント「全体のバランス」とは!?
■□■□■□■□■□■□■□
【キーストーン通信
2025年3月号】
相続対策で見落としがちなポイント「全体のバランス」とは!?
■□■□■□■□■□■□■□
「友詞には食神がついている。だから食の道に進め」
易学者の親父さんが札幌から家族を連れて行ったのは、東京屈指の高級中国料理店「山王飯店」。
「世の中にこんなに美味しい料理があるとは知らなかった」と夢中で食べていた中学2年生の友詞くん。
「旨いか」と聞かれて何度も頷くと親父さんはその場で店の専務を呼び、
「息子を料理人にしたい」。
「本人がその気なら引き受けます」と専務が即答。
かくして中学の卒業式翌日から友詞くんは山王飯店で働くことになりました。
それは親が勝手に決めたことで、彼の夢でも希望でもありませんでした。
キーストーンメールマガジン編集担当野田です。
「中国料理店のトップは中国人しかなれない」というガラスの天井を突き破り、
日本人に中国料理界でトップシェフとして活躍できる門戸を開いた人。
「大皿から取り分けて食べる」という中国料理の伝統に1名分のコースメニューを導入した人。
「ディナーショー=フランス料理」の時代に初めて中国料理を提供した人。
フランス料理や日本料理のエッセンスを取り入れ、ヌーベル・シノワ(新しいチャイニーズ)
を次々と世に送り出した人。
それが50年後の友詞くん、脇屋友詞氏です。
中国料理人になるのは自分の夢でも希望でもなかったけれど、50年を超えた今、
「中華鍋に出会わなければ、僕は恐らく本当の自分と出会っていなかった。
つまり自分の天職と巡り合うことはなかった」。
入学、就職、社会人には人事異動や組織変更が行われることが
多い季節となりました。
夢や希望がかなって期待に胸をふくらませている人がいる一方で、
自分の意思や希望とは全く違う道を歩むことになって、ショックを
受けている方もいらっしゃるでしょう。
後半では、そんな方へのメッセージや、「なぜ世界で一番美味しいフカヒレが
日本にあるのだろう」と中国人の美食家が最高評価する中国料理伝統の味を
氏はどこで学んだのか等、皆様それぞれの旅立ちを応援するお話しを、
脇屋友詞著「厨房の哲学者」からご紹介します。
==============
◎コラム
相続対策で見落としがちなポイント「全体のバランス」とは!?
==============
「税務と法務の観点で相続・事業承継における事前対策の重要性を
お客様にお伝えしたい」。そんな想いで愛和税理士法人、杠司法書士法人の
先生方にコラムをご執筆いただいてきました。
5年が経過した今号をもって、この連載を終了することとなりました。
ご愛読いただき、ありがとうございました。
今後はこれまでお届けしたコラムから時代を経ても変わらないポイントや、
重要な法改正があればその概要、生命保険の観点でお伝えしたいことなどを
ご紹介してまいります。
コラムのお届けしては最後となる今回は、相続・事業承継対策を
考えるうえで最も大切なことをお伝えします。
「全体のバランス」
相続対策として挙げられるものに「節税」「遺産分割」「生命保険」があります。
「節税」に高い関心があれば、その対策を重点的に考えるのは当然のことです。
一方で人は関心事に思考が偏りがちになるもの。
「節税対策を行なって数年経った今、手元資金でこの先も続く人生を安心して
過ごせるのかだんだん不安になってきた・・・」
そんなご相談が増えているそうです。
資産をできるだけたくさん次世代に残してあげたい。そのための節税対策だった
でしょうし、それも大切なことですが、がんばってこられたご夫妻が、
これからの生活を心豊かに安心して過ごすための資金を確保しておくことのほうが
大事なことです。
これを実現するのが「全体のバランスがとれた」相続対策なのです。
ではそのためには何をすべきか、何を考えなければ
ならないのかを解説したのが、今回のコラムです。
●長生き対策のために考えること
●介護・認知症対策への備え
●その想いや考え、家族と共有できてますか?
●相続税の支払いは現金&待ったなし
●専門家の視点で偏りを防ぐ
全体のバランスを考えることは、ご自身とご家族の未来を考えることでもあります。
「相続のため」と言うとご両親も及び腰になるでしょうが、
「父さんと母さんの残りの人生を考えることでもあるんだよ」と添えれば、
ご両親の受け止め方も変わるのではないでしょうか。
今回のコラムはそのことを伝える最良の読み物となっています。
「相続の話しはしづらい」という方にぜひご活用いただきたいです。
相続対策で見落としがちなポイント「全体のバランス」とは!?
今回解説いただいたのは、
杠(ゆずりは)グループ代表/司法書士 川原田慶太先生。
川原田先生は数多くの相続案件を手がけられ、
そのご経験を日本経済新聞電子版で「司法書士が見た相続トラブル百科」として連載。
大好評を博し、書籍化もされました。
弊社とも長年にわたりパートナーとしてお付き合いいただいています。
==============
◎なぜ世界で一番美味しいフカヒレが日本にあるのだろう
==============
引き続き脇屋友詞著「厨房の哲学者」からご紹介します。
以前本メルマガでご紹介したフランス料理の三國清三氏と同じく、
スタートは「鍋洗い」。もやしのような身体の友詞くんは重い中華鍋を
片手で持つことができず、洗うことすら満足にできませんでした。
「何が『食神がついている』だ。鍋洗いすらできないじゃないか」
15歳の友詞くんは「この仕事は向いていない。辞めたい」とお袋さんに
話していました。
そして3度目。
「いつまでそんなこと言ってるの。いいかげんに覚悟を決めなさい。
3年必死に頑張ってそれでも駄目だったら、何でも好きなことをやったらいい」。
いつも優しく励ましてくれたお袋さんとは思えない、激しい剣幕だったのです。
中国人が大半を占める厨房で飛び交う言葉は中国語。
鍋洗いで調理現場を見ることができず言葉の意味も理解できなかった友詞くんが
「お袋を悲しませたくない。泣き言を言わずに3年間頑張る」と覚悟を決めて
半年ひたすら鍋を洗い続けていたら・・・
-------------
熟した油のはぜる音。鍋と玉じゃくしがぶつかる音。
中華包丁がリズミカルにまな板を叩く音・・・。
まじりあったひとつの騒音だった音が、ひとつひとつに分離して、
それぞれの意味を耳が勝手に聞き分けるようになる。
その音と光景が結びついて、背中で起きていることが見え始める。
-------------
同著より
3年後、友詞くんは山王飯店を辞めました。
その時の気持ちをこう述べています。
-------------
自分はこの仕事が好きなのだ。中国料理こそ、僕を生かす「この道」だった。
この道を登っていけば、僕はいつか必ず僕が辿り着くべき場所に辿り着く。
心の奥で、何者かが僕にそう囁いたのだ。
-------------
同著より
それから7年間で5回店を変わって腕を磨いていったのです。
中国人の美食家が「なぜ世界で一番美味しいフカヒレが日本にあるのだろう」と
最高評価した脇屋氏の中国料理。氏が中国で受け継がれてきた伝統の味を守り続けて
いることを示すエピソードがあります。
-------------
僕の店のフカヒレの煮込みは世界一美味しい。
僕がではなく、香港の美食家がそう言っている。
チャンランという香港のプロデューサーで美食家。
辛口の審査で有名でテレビ番組でも「不味い」とか「食べられたもんじゃない」
を平気で連発し、スタジオの空気を凍り付かせることを全くいとわない。
その彼が毎年1回、香港の友人たちを連れて日本にグルメ旅行にやってくる。
僕の店に毎回予約を入れて、必ず注文するのがフカヒレの姿煮なのだ。
そして彼らは頭を抱え、美味しさに悶絶する。
彼らは紳士だから言わないけれど、こう思っているに違いない。
「なぜ世界で一番美味しいフカヒレが日本にあるのだろう」
-------------
同著より
その答えは山王飯店の陳総料理長にあります。
脇屋氏の親方だった盛料理長の親方で、脇屋氏は盛料理長を通じて中国料理の
伝統の味を学び、今も忠実に守り続けているのです。
時代にあわせたり変更を加えたりしているものの、脇屋氏の味の土台は、
15歳で働き始めた山王飯店にあるのです。
夢も希望もなく、いやでいやでしかたがなかった場所で学んだ味と技術が
脇屋氏を世界で名の知られた中国料理のトップシェフにしたのです。
15歳の友詞くんと同じ状態のあなたに脇屋氏のことばを贈ります。
-------------
ずっと死力を尽くしてきた。
不平たらたらで、いつも目の片隅で辞めるチャンスを探していた15の春でさえ。
迷ったり、悩んだり、信じられなくなったりすることはある。
けれど、目の前の鍋だけは必至で磨いた。その先に道が続いていた。
目の前の仕事が、自分の仕事だと思えるかどうか。
この道をずっと歩いてきて思うのは、結局のところそれだけだった。
何かをなせるか、なせないかの差は、才能の差でも、運の差でもない。
かなえたい夢がなくとも、焦ることはない。
今自分の目の前にあることに、とりあえず必死で取り組んでみることだ。
それが心底自分のなすべき仕事だとわかったとき、人生は必ず変わる。
僕はそれを知っている。
-------------
同著より
みなさまの道が光リ輝くものでありますように・・・
「王道を大切に守りながら、よりよいものを付け加えていく。変えていく。
お伝えさせていただいているとおり、3月1日より生命保険代理店事業を
「株式会社シードコンサルティング」として行うことになりました。
弊社にとっての「王道を大切に守る」は、お客様とご家族様をお守りすること。
そしてそのために必要なことであれば、変えていく。
弊社も脇屋氏と同じです。
☆弊社へのご連絡方法☆
①本メールに返信いただく。
②下記弊社HP「お問い合わせ」
をご利用いただく
https://www.kanameishi.com/customer/
③フリーダイヤル 0120-140-439
に電話にて、ご連絡いただく。
④FAXにて 0120-707-139
にご連絡いただく。