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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2024年12月20日【キーストーン通信2024年12月号】相続税が課税される財産
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【キーストーン通信
2024年12月号】
相続税が課税される財産
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「お客様にお座敷でくつろいでいただいて、気持ちよくお仕事に復帰していただく。
それが私の仕事。どれだけパーフェクトな仕事ができるか、やってみよ」
私が15歳で舞妓に出た時に決心したことでした。
キーストーンメールマガジン編集担当野田です。
岩崎峰子さん。4歳の時に京都祇園甲部の置屋の女将に見初められ、
5歳から祇園甲部に住み、京舞井上流や京地唄など芸の道に励む。
15歳で舞妓デビューし、21歳で芸妓に。数々のお座敷や舞台に出演し、
6年連続売上ナンバーワンの座に。29歳で現役引退。
5歳で「この子は舞妓になるべき」と女将に思わせたというのは、
おしゃべりだとか明るいといった天賦の才能があったってこと
なんだろうなと思ったのですが・・・
「実は私自身が人づきあいが苦手で、自分では根本的に暗い性格だと思っています。
人と会うのは嫌いで、引っ込み思案な子供だったのです。
大人になってもこの性格はそのまま、実はお座敷も苦手、特に新しいお客様に
お目にかかる時は内心緊張していました。結局は人前に出るのが好きではないんです。」
(岩崎峰子著「祇園の教訓」より)
冒頭はそんな岩崎さんの言葉。これをモットーとしていつも自分に言い聞かせ、
「29歳で辞める」と心に誓っていたそうです。
現役時代は、必ず肌襦袢(はだじゅばん)の上に1枚白の着物のような
襦袢を着ていた岩崎さん。白の襦袢は武士が戦場に赴く時など、死を覚悟
した時に着る「白装束」にちなんでいます。
「戦場に出向くつもりでお座敷に出、プロに徹しようとする覚悟を自分自身に
表したのです」(同著より)。
写真を見る限り美しくて華があって、芸妓になるために生まれてきたような方ですが、
岩崎さんのご性格にとって、お座敷に出るということがどれだけしんどいことだった
だろうと思います。
でも、こうもおっしゃっています。
「今になって考えると、そんな人見知りの性格が幸いしたのかもしれないと思うことが
あります。
もし、私に誰とでもすぐに親しくなれるという“才能”があったら、どうやって
お客様を楽しませたらいいのか、努力する必要はなかったと思います。
<中略>
自分の職業は接客業なのだと充分理解して、自分に自信を持つことができるまで
お稽古に励みました。仕事として割り切ったからこそ、ここまでやってこられた
のだと思っています。」(同著より)
そしてこう続きます。
「人見知りだからこそ、接客業ができる。苦手だからこそ、努力が生きるのだと
信じています。『自分に正直に生きること』を、自分に言い聞かせてきました。」
「人づきあいが下手」
「不器用で、人の気に入るようなことが言えない」
「引っ込み思案で話がうまくできない」
そんな悩みをお持ちの方、いらっしゃると思います。
そうでない方だって「あの人だけはダメ」という人、1人や2人はいますよね。
祇園で6年連続売上ナンバー1を獲得した岩崎さんの言葉はどんな方にも
参考にしていただけますし、勇気をくれると思いましたのでご紹介させて
いただきました。
後半では、ほんの入り口までですが皆さまを祇園にお連れさせていただきます。
なお本書は20年以上前に発売されていること、私がお茶屋遊びの経験ゼロですので、
祇園をよく知る方々にとっては「知ってるよ」「もう変わっているよ」ということが
あると思いますが、ご容赦いただけると幸いです。
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◎コラム
相続税が課税される財産
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「相続税って、金額の大きいものにかかるんでしょ」
そんな漠然としたイメージをお持ちの方が多いかもしれません。
原則として被相続人が所有していた現金・預貯金・有価証券・不動産・自動車・
書画骨董のほか、貸付金・特許権・著作権など金銭的に見積もることができる
経済的価値のあるもの「すべて」が相続税の対象となります。
ただし、この分類に該当するものであっても相続税がかからないものもあります。
例えば、死亡保険金。全額ではありませんが、「非課税枠」と呼ばれる、相続税の
かからない範囲があります。「500万円×法定相続人の数」です。
仮にご主人と奥様、子供2人の家族でご主人が亡くなったとすると、法定相続人は
奥様と子供2人の計3名。
500万円×3人=1,500万円が非課税枠となり、この範囲内であれば相続税はかかりません。
一方で、「こんなものに相続税がかかるの?」というものもあります。
●相続税がかからない7項目
●形見の腕時計に課税?
●5万円を超える生活動産(家具や衣服、安価な貴金属といった30万以下の価値のもの)
も相続財産になる
●税務署は美術品や骨董品の購入履歴を入手できる!
身近にある意外なものが相続財産になる場合があり、
「うちは相続税なんて関係ない」と安易に決めつけてしまうと、
大切な思い出の品が思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
わかりやすい解説ですので、年末年始のお休みの時にお読みいた
だくのにちょうどいいと思います。
相続税が課税される財産
今回解説いただいたのは、
愛和税理士法人社員税理士戸﨑健志先生。
20歳(最年少)で税理士試験に合格。
専門学校講師時代は高い合格率を輩出。
現場経験も交えたセミナーは「分かりやすい」と定評があります。
弊社とも長年にわたりパートナーとしてお付き合いいただいています。
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◎祇園のほんの入り口までですが・・・
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京都の花柳界には「一見さんお断り」というルールがあることはご存知の方が
多いでしょう。これは「信用のおける人を心からもてなしたい」というこの世界
ならではの習慣です。
人生59年、1度もお茶屋遊びをしたことがない私にとってへぇ・・・だった
ことを、引き続き岩崎峰子著「祇園の教訓」から紹介・引用させていただきます。
●下足番は病気も見抜く
いつもは黙って靴を揃えるのに、あるお客様に「社長さん、後生どっさかい(お願いだから)、
早いとこお医者はんに行っとくれやす」と頼みました。長年その方の靴を見ていた下足番は、
ここ1ヶ月靴の減り方がいつもと違うと感じ、思い切ってお話ししたのです。
「どこも悪くないのになぁ」と不審に思いながらも病院で精密検査を受けたところ、
肝臓に異変が見つかりました。早期発見でした。
下足番の方曰く「わけはわからへんにゃけど、靴の減り方でわかんねん」
●お見送りは玄関に入るまで
必要であれば、お客様のご自宅まで舞妓・芸妓数人でお送りすることがあるそうです。
「門の前までではダメで、玄関に入って奥様にご挨拶するまでがお見送りです。
大切なお客様を無事に奥様のところにお送りするのが、いつもご贔屓にして
くださっているお客様への私たちの気持ちなのです。」
●扇子で表す「親しき仲にも礼儀あり」
お客様と親しくなって、減らず口をたたくことがあっても、
お客様ともてなす側の一線だけは超えてはならない。
花柳界の鉄則ですが、それを表現する場があります。
「私たちはお座敷に伺う時にはふすまを開けて、扇子を一本置いて
『おぉーきにぃ』と挨拶してからお座敷に入ります。
これは扇子一本の向こう側は上座(お客様)、こちら側が下座(舞妓・芸妓)
というケジメを表したものと、先輩たちに教わってきました」
●名前はお客様同士のやりとりで覚える
舞妓や芸妓からお客様に名前を聞くことはなく、名刺を渡すけれどもお客様から
いただくことはないそうです。理由は
「責任のある仕事をしている方が仕事を忘れて遊ぶ場ですから、
あえて俗世間のことは聞かないのがルールです」
なので、名前はお客様同士のやりとりの中から覚えているとのこと。
「花柳界の人間は、自分の記憶力しか頼れません」
●お酒を最高な状態でお出しするために
舞妓はお客様が召しあがるお酒の量に注意して、次の徳利を用意します。
姐さんが注ぐ時の徳利の傾き加減で残りの量を推量し、あと2,3杯で
おしまいになる頃に、次の徳利を手配します。
酒の燗の番をする人を燗番(かんばん)といいますが、お客様1人1人について
熱燗が好きなのかぬるめが好きなのかを知っています。
そしてその日の気温、その日のお座敷までの距離も考えてお燗をつけているのです。
「街全体がプロフェッショナル」。
本を読んだ後、私なりに祇園を表現するとしたらと考えた時に
思い浮かんだのですが、その奥深さを表すには全然足りない・・・。
言葉では表現できない魅力が、江戸時代から300年以上たった今も
人を惹きつけるのでしょうね。
300年には遠く及びませんが、弊社も祇園のような「会社全体がプロフェッショナル」
であり続けるために精進してまいります。
☆弊社へのご連絡方法☆
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