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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2024年11月15日【キーストーン通信2024年11月号】デジタル遺産の相続
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【キーストーン通信
2024年11月号】
デジタル遺産の相続
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美食は、文化をまるごと食べること。
キーストーンメールマガジン編集担当野田です。
美食って何でしょう。美味しい?見た目が美しい?贅沢?
わかったようでわからない言葉ですよね。
南極から北朝鮮まで世界127ヶ国・地域を食べ歩き、
2017年度には「世界のベストレストラン50」を全店制覇。
2018年度から6年間「OAD世界のトップレストラン」サイトの
レビュアーランキング第1位を獲得しているのが浜田岳文氏。
世界中の美食家・グルメな人々が必ずチェックするこのサイトで
コメントが最も注目されていることは、目利き(舌利き?)力に
絶対的な信頼が置かれている証拠です。
冒頭は、そんな浜田氏にとっての「美食」の定義です。
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正確に表現するなら「ガストロノミー」と言い換えてもよいかと思います。
ウィキペディアによると「食事と文化の関係を考察することをいう。
料理を中心として、様々な文化的要素で構成される。
すなわち、食や文化に関する総合的学問体系」。
ガストロノミーには「美」という意味合いはなく、ニュートラルな言葉なのです。
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浜田岳文著「美食の教養」より
食事に対する考え方は人それぞれ。
「お腹がいっぱいになればいい」
「『うまい』が最も大事」
「何を食べたかより、誰と食べるかが大事」
などなど・・・。
浜田氏もそういう価値観を決して否定しているわけではなく、
だから著書の冒頭で「私にとっての美食とは」と定義しているのです。
今回のお話しは浜田氏の考えを「正解」としているわけではありません。
皆様には「食に対する価値観の1つ」として捉えていただいたうえで読み進めて
いただけれは幸いです。
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美味しいものを食べるという喜びがあることは、人生を豊かにする。
しかし、だからといって、ただ単に美味しいと評判の店に行けばいいと
いうことにはならない。
美味しさがゴールではなく、どう美味しくしているのか、
なぜその地で食べるのか。
どんな歴史的な背景があるのか。
どんなストーリーがつむがれているのか
・・・。そういうものをちゃんと含めて楽しむことが、文化的に食べる
ということだと思うのです。
そしてそれこそが、「ガストロノミー=美食」が重要な意味になるのだと
思います。
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同著より
世界中を旅して美食を追い求める浜田氏。
そんな彼が「2週間滞在しても足りない」という国は?
知り尽くすには広すぎて深すぎる国とは?
今回は浜田岳文著「美食の教養」より、
「世界の今」を「美食」の視点でご紹介します。では後ほど。
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◎コラム
デジタル遺産の相続
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デジタル遺産とは、亡くなった方がデジタルの形式で保管していた財産のこと。
具体的には、ネット銀行やネット証券の口座、仮想通貨、ポイントカードや電子マネー
などなど。今だLINEをやっていないアナログな私(笑)でさえ、スーパーの買物は
電子マネーを利用していますので、大半の方はデジタル資産を持っていると言っても
過言ではないでしょう。
これがやっかいなのは、その存在を家族が知らないこと。知っていたとしても、
パスワードまでは聞いていない方が多いと思います。
「問合せはネットのみ」というサービスも増えており、利用停止手続きをしたくても
どうしようもないということが起きてくるのです。
ご自身やご家族の財産については把握されていると思いますが、
「今後はデジタル資産も加えましょう」というのが今回のテーマです。
●相続手続きが大変 ~法律が追い付いていない現実~
●定額料金で商品やサービスが利用できるサブスクリプションは要注意
●亡くなった後の諸手続きを第三者に依頼する「死後事務委任契約」
●残されたご家族の負担を減らすためにできること
IT技術の急速な進化で、私たちは「便利」という大きな恩恵を受けています。
一方でその存在を周囲が把握できないことが、相続の場面で大きな問題と
なりつつあります。
いざという時に大切なご家族やご親族が手続きの際に困らない方法をお考えいただく
ことはとても大切なことです。デジタル資産をどう扱うべきかについてわかりやすく
解説されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
デジタル遺産の相続
今回解説いただいたのは、
杠(ゆずりは)グループ代表/司法書士 川原田慶太先生。
川原田先生は数多くの相続案件を手がけられ、
そのご経験を日本経済新聞電子版で「司法書士が見た相続トラブル百科」として連載。
大好評を博し、書籍化もされました。
弊社とも長年にわたりパートナーとしてお付き合いいただいています。
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◎世界のレストラン事情
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世界中のグルメ通から最も信頼されている浜田氏。
氏の著書「美食の教養」から、テーマ別に注目すべき国をご紹介します。
(1)食事のためだけに訪れても2週間では足りない国
これは2つ挙げられています。
<<イタリア>>
地域の多様性が大きく、50Kmも移動すると料理ががらっと変わります。
特徴的なのは、地元の人たちが郷土料理をこよなく愛していること。
外食は普段と違うものを食べたいと思いませんか?
イタリア人はレストランで家と同じ料理を食べます。
そして少しでも他の地域の特色を取り入れようものなら、ものすごく怒られてしまうぐらい、
食に対しては非常に保守的。そんな伝統的な家庭料理を楽しみたい方は
「トラットリア」へどうぞ。
革新的な食事を楽しむ場合は、「リストランテ」へ。イメージとしては高級レストラン。
以前はトラットリアで出す料理に金箔をのせたりして見た目だけ豪華とか、
珍しいアジアの食材を取り入れているものの、素材の良さを全く活かせていないなど、
残念な店ばかりでした。
ところがこの10年で、国内でも忘れられていた固有の食文化を
発掘して料理に活かすなど、その土地のエッセンスを反映した
リストランテが続々とオープンしています。「新店で革新的な美味しい料理を食べる」
という意味では、フランスより圧倒的にイタリアが面白いそうですよ。
<<スペイン>>
浜田氏にとっての美食は「ガストロノミー」。主導してきたのはフランスですが、
フランス以外の国で初めて世界に大きな影響を与えたのがスペイン。
それが「分子ガストロノミー」。浜田氏の表現によると
「食を科学する。ガストロノミーに科学的知見を持ち込んだ」。
例えば・・・
泡状になったソースがのっている料理。これはエスプーマという科学的な見地から
開発された調理器具の登場により、実現しました。
これまでジュースとしてしか楽しめなかった野菜や果物が、
「ソルベ」として提供されるようになりました。
これは、液体窒素で瞬間的に凍らせる技術を料理に持ち込むことで
可能となりました。
これらの技術を用いた料理を提供した最初の国ですが、
そのことをわざわざ掲げている店はありません。
なぜなら今では当たり前に提供されているから。
革新的な現代料理が日々進化しているのです。
もう1つ素晴しいのが食材。肉だとイベリア豚とガルシア牛が世界的に有名です。
野菜もトマトやレタスといった一般的なものでさえ、どれもみずみずしく力強い。
圧巻なのが魚介類。スペインは四方を海に囲まれた国なので、それぞれに持ち味が
異なる魚介類がいます。
こういった上質な食材に恵まれているスペインならではのジャンルが
「コシナ・デ・プロドゥクト」。素材にフォーカスしてシンプルに調理をするもので、
「食材料理」と浜田氏は訳しています。もちろん調理の技術が必要ですが、
そもそも素材に恵まれていなければ成立しない料理であり、ヨーロッパの多くの国で
これは不可能だそうです。
(2)は広すぎて深すぎる国
広大な土地と長い歴史を持つ、文化的多様性に富んだ国、中国です。
中国料理は8つの地域に分けられ、それぞれ異なる気候や風土、
歴史的背景によって独特な食文化が発展してきました。
中国で高級料理というと、基本は広東料理。
広州は19世紀初頭には世界的な貿易港としての地位を確立し、
当時の支配者が国内だけでなくフランスからもシェフを招く等して
美食を追求。その料理人の流れが香港の名店に受け継がれているそうです。
そんな中国で今、美食都市を選ぶとしたら上海。
上海料理だけでなく他の地方の料理を出す高級店が増えたり、
他の地方にあった名店が上海に移転してきたりと、中国各地の最高峰の料理が、
上海で食べることができる状況になっています。
浜田氏でさえ、「いくら頻繁に訪れても中国料理のすべてを知り尽くすのは
無理かもしれない」と同著で語っています。
色んな地域の中国料理を楽しみたい方は上海に滞在するのが一番ということに
なりそうです。
(3)世界中に影響を与えている国
ご想像どおり、フランスです。
「フランスは中央集権国家で、王様や貴族に富が集中したから」
と浜田氏は分析しています。富が集中することで文化が生まれるのは美術や絵画だけでなく、
料理も同じ。フランスでは権力誇示のため、外交を有利に進めるためにお抱え料理人が
競いあったのが1800年代。圧倒的な歴史があります。
先に挙げたイタリアとスペインが今注目すべきなのに対し、
フランスはある意味成熟しており、そんな環境で才能あるシェフたちがそれぞれ独自の
料理を追求しています。
昔も今もこれからも、この国の存在感が変わることはないでしょう。
他にもたくさんの国が紹介されていますが、最後は日本について。
「恵まれた自然環境がもたらす豊かな食材、長い歴史と地方ごとの多様な文化、
常に移り変わるダイナミックなレストランシーンなど、多くの要素を持つ
世界有数の美食国家」。
今回は皆様の食欲を刺激したかもしれず、今月の食費がいつもより
高くなったらごめんなさい(笑)。
食事を楽しめるのは健康あってこそ。身体の健康には食事が、精神の健康には
お金が重要な要素です。レストランのご紹介は難しいですが、大切な資産を守る
ためのご相談は弊社にお任せくださいね。
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