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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
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愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
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2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2017年5月12日【第144号】長く生きるほど、人生はより美しくなる
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【ライフナビ通信 第144号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【長く生きるほど、人生はより美しくなる】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【長く生きるほど、人生はより美しくなる】
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こんにちは。
早速ですが、今日は先週のGWに私が見た
映画の話題をお伝えしようと思います。
家内からの口コミで、
「ロードショウ映画ではないけれど、とても
いい映画だったよ」との話。
どうも、ご近所の主婦友の人と行ってきた
ようです。
市内にある小さな映画館で午前中だけ上映
されていたもので、残念ながら話を聞いた時
には、既に上映期間が終了しておりました。
家内から内容を聞いて、とても気になったの
で、関西地区で他に上映しているところは
無いかとネット検索したところ。
ありました!
コテコテの大阪エリアの十三の第七藝術劇場
という映画館で、やはり午前中だけの上映。
これは行かねばということで、GW中に行って
きたという次第です。
ということで、本日はこの映画の内容について
話をさせていただきますね。
本日のテーマ、
【長く生きるほど、人生はより美しくなる】
それでは、本文に入ります。
■家内から、平日の午前中の上映だったけど
ほぼ満席だったと聞いていたので、上映30分
前に映画館に行ったのですが、既に30名ほど
の人が並んでいました。
その後、続々と人が増えて上映時間になると
やはりほぼ満席状態。
客層は、シニア層の人がほとんどかと思って
いましたが、意外と夫婦や家族連れのなかに
混じって若い人もチラホラ。
■『人生フルーツ』という東海テレビ制作の
ドキュメンタリー映画で、90歳と87歳のとある
建築家夫妻の物語。
淡々とストーリーは展開していくのですが、
なんとも味わいのあるいい映画でした。
樹木希林さんが、ナレーションを担当していて
さらに映画全体が味わい深いものになって
いました。
■主人公の津端修一さんは、1960年代に
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの
都市計画に携わり、それ以降自身もその
ニュータウンに一軒家を構えました。
自ら設計した雑木林に囲まれた平屋建て。
それに広い庭で育てられた70種の野菜と
50種の果実でほぼ自給自足の生活。
妻・英子さんは、料理をはじめ刺繍や編み物
機織りまで、何でもこなす。
■朝の夫婦の食事風景や農作業、寄り添い
ながらもそれぞれが独立した時間を過ごす
日常と自然の風景が織りなす生活感。
60年を超える時間を共有した老夫婦が、時を
ためながら生きてきたからこそ醸し出される
さりげない愛情が見事に描き出されています。
日頃、あくせく慌ただしい時間の中で生活して
いる都会暮らしの人から見ると、忘れかけて
いた価値観を思い出させてくれるような郷愁を
この映画から感じられました。
■何をもって、倖せと感じるのか?
90歳になったそんな修一さんに佐賀県伊万里
の精神科病院から、患者たちが人間らしい
暮らしが出来るような施設設計の仕事が舞い
込みます。
人生最後の仕事に打ち込む修一さんの姿と
その後ひとり暮らしとなった英子さんの姿が
交差し、しみじみとした感動を呼び起こします。
■人生をいかに生き、そして死んでいくか?
映画を観終えたあと、津端夫妻の人生は
ひとつの理想的な生き方を、そして死に方
を観ている人に示してくれているように
感じました。
長年にわたってためてきたときとともに雑木
林に囲まれた自然の家は、将来娘さんに、
そしてその後孫娘さんに引き継がれるように
今、英子さんが守っているようです。
■映画のなかで、こんなシーンがありました。
長年、小鳥の水浴場として庭に置いてあった
甕(かめ)が割れたのを見て、娘たちがとても
残念がっている。
たぶん、両親が大切にしていた思い出の品を
失ってしまったことへの寂しさがこみ上げて
いたのでしょう。
■でも、ひとり身になった英子さんが、こんな
風に優しく言いました。
「なくなったものを悲しんでも仕方ないのよ。
良いことだけを考えなさい。」
また、映画のなかで日本でも著名な建築家の
フランク・ロイド・ライトの名言が効果的に使わ
れています。
「長く生きるほど、人生はより美しくなる。」
『人生フルーツ』
心に沁みるいい映画に出会いました。
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◎【編集後記】
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GW後半の週末。
私と家内で85歳の母を誘って、近くの居酒屋
に出かけました。
日常の他愛のない話から、二人が観た映画
『人生フルーツ』の話に自然な流れで向かい
ました。
「わかりやすくてとてもいい映画だったので、
観てくるといいよ。」
息子の私からの話に
「じゃあ、友達を誘って行ってくるかね。」
と、興味を持ってくれたようでした。
「映画を観終わったら、近くにねぎ焼きで有名
なお好み焼屋さんがあるから、そこで昼食も
するといいよ。」
「そうだね。」と、まんざらでもない様子の母。
食事中、10回ほど映画のタイトルを伝えて忘れ
ないように話したつもりなんですが。
帰り際、「映画のタイトル覚えてる?」と尋ねて
みると、「さあ、何だったかね。」となんとも頼り
ない返事。
日頃の日常会話に問題があることはないの
ですが、さすがに85歳の年齢では記憶力の
方は、おぼつかないようです。
それでもねぎ焼は、しっかり記憶にとどまって
いるようで、そちらを手掛かりに久々の映画を
楽しんできてくれるといいのですが・・・