| ジニ係数
「勝ち組」と「負け組」。その判断基準は難しいですが、「1億総中流」と言われた日本社会の構図はすでに過去の話となり、優勝劣敗の様相が色濃くなっています。所得格差はその代表といえますが、その格差を示す指標として「ジニ係数」が注目されています。「ジニ係数」とは聞き慣れない言葉ですが、簡単にいえば、世帯ごとの所得の格差やバラつきを示す指標で、「ゼロ」に近いほど格差は小さく、「1」に近づけば格差が大きくなります。厚生労働省が「再所得分配調査」でも用いており、同調査では、日本のジニ係数は0.4983と発表されています。
では0.4983(約0.5)という数値をどう理解すればよいのでしょうか。分かりやすくいえば、上位4分の1(25%)の富裕層の人たちが全体の所得の4分の3(75%)を占めている計算になります。日本のジニ係数は1980年代までは下がっていたのですが、1984年から反転しています。1984年が0.3975、1990年が0.4394、1999年が0.4720、2002年が0.4983と上昇傾向にあり、1億総中流がもはや幻想となってしまったことが明らかです。
さらに厚生労働省の再所得分配調査によると、年齢が高くなるほどジニ係数も高く、所得格差が大きいことが分かります。「日本のジニ係数の変化には高齢化が影響している」との指摘もあります。高度成長時代を経て日本経済・社会は「成熟化」したと言われています。これは事実ですが、一方で「途上国ではジニ係数が高く、社会不安の要因となっている」ことを踏まえると、「成熟」という言葉だけでは語れないのかもしれません。今月下旬から企業の中間期決算の発表が本格化します。こちらでは産業界の優勝劣敗の図式を改めて確認できるのではないでしょうか。
(参考資料)
『平成14年 所得再分配調査報告書』(厚生労働省)
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou6/data14/h14hou.pdf
『平成8年 所得再分配調査結果』(同)
http://www1.mhlw.go.jp/toukei/h8syotoku_4/index.html
|