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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2010年12月31日【第7号】“金融鎖国”状態のこの国を出よ!
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目次
◎今日のテーマ
【“金融鎖国”状態のこの国を出よ!】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【“金融鎖国”状態のこの国を出よ!】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
今年もいよいよ押し詰まりましたね。
みなさんにとって、2010年はどんな年でしたか?
世界の中の日本という意識で見ると、政治・経済での
存在感がどんどん小さくなっているのがとても残念ですが、
個々のレベルで考えると、いろんな感想がおありでしょう。
1年を総括して、「良かった」、「悪かった」と短絡的に
評価することは難しいと思いますが、どうせなら良い面に
フォーカスして、前向きにものごとをとらえたいものですね。
「まだまだ、日本も捨てたもんじゃない!」
今年を振り返って、かく言う私はそんな実感を持ってます。
そして、「来年は今以上にもっと良くなる!」
という期待が確信にかわりつつあります。
その理由は後ほど少しお伝えさせていただきますね。
では、今日のテーマ、
【“金融鎖国”状態のこの国を出よ!】
をどうぞ。
■今年の秋にユニクロの柳井社長と大前研一氏が
共著で『この国を出よ』という本を出版されました。
かたや海外進出に成功し、今や日本を代表する
企業のひとつとなったユニクロのオーナー経営者。
そして、もうひとりは国際的視点でもの申すことで
定評のある経営コンサルタント。
この本、なかなか読みごたえのある良書です。
■今や世界は「日本破綻」に備え始めている。
やがて日本は消えてなくなる。
次の飛躍は“大いなる悲観”から始まる。
こんなショッキングな文章が装丁にあり、読者を扇動
しているように見えますが、両者の提言は的確に
今の日本の状況をとらえているように思います。
■日本の財政状況は、もはや一刻の猶予もないのに
「自己保身」体質から抜けきれず、誰も当事者能力を
持ち合わせていない。
そんな日本を尻目に周辺の新興アジア諸国は、急成長
しており、もはや“ジャパンパッシング”(日本素通り)
ならぬ“ジャパンナッシング”(日本無視)がおこっている。
考える力を奪う日本の教育の弊害で、サラリーマン化
した日本人は変化や競争を嫌い、若者は海外に出て
いこうとせず、安定した幸せだけを望んでいる。
■こんな状況をかつて深刻な財政難に陥った英国が
「英国病」と揶揄されたのをもじって、「日本病」状態に
あると、両者は指摘しています。
そして、そんな危機的状況を打破するために、
「日本人よ、この国を出よ」という強いメッセージを
送っているのです。
幕末以降、日本人は何度も海外に打って出て世界を
驚かせた歴史があり、今また「海外雄飛」を行うことで
前途は洋々たる未来が広がっている。
大前研一氏は最後にそう結んでいます。
私もこの意見にとても共感しています。
■大量発行している赤字国債の大半を買い支えて
いるのは、郵貯・簡保・銀行・保険などの金融機関。
その金融機関がどこからお金を調達しているかというと
実際は私たち国民ひとりひとりが預けているお金からと
いうことになります。
国の尋常でない借金のツケを国民が肩代わりさせられる
事態が、そう遠くない時期に来てもおかしくないということを
今、多くの識者やメディアが警鐘を鳴らしています。
■そもそも、金利1%程度の日本国債を一生懸命買い
支えている国内金融機関が、市場でそれ以上有利な
金融商品を提供できるハズがなく。
もし、日本の高度成長期と同じように発展している地域の
金融機関が、成長力にものを言わせて世界のルールで
日本に参入しようとすれば、日本はどうなるのか?
■このあたりについては、このメルマガで書き尽くすことは
できませんので、行間を読んでいただくとして、私は今でも
金融その他の世界で、「日本はいまだに鎖国状態にある」
と思えてならないのです。
■農業政策などを取ってみても、健全な競争が起こらない
政府主導(管理下)の政策はやがて大きなひずみとなって、
“重いツケ”を誰かが払わないといけないことになります。
一見行き場がないかと思えるこのような問題の打開策が、
「日本国民よ、この国を出よ!」というメッセージに
あらわれています。
■一歩海外に出ると今まで日本で常識だと思っていたことが、
実は世界では非常識だったと気づかされることが多々あり、
逆に今まで当たりまえのように感じてきた「物質・情緒面での
日本的な豊かさ」に感謝することもあるかも知れません。
■私は、ここ数年海外の金融現場や様々なキーマンとの出会い
で、貴重な体験をさせていただきました。
そんな体験から得た気づきを新年からは、新シリーズ
として、このメルマガで綴っていきたいと思っています。
では、次回以降の【ライフナビ通信】もお楽しみに。
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◎【編集後記】
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このメルマガの配信を始めて3ヶ月の間、
読者としてお付き合いいただき、誠に有難うございます。
おかげさまで、メールや電話・面談などでご感想を
いただいており、それを励みに執筆を続けることが
出来ました。
本当に心より、「感謝」です。
さて、文頭で「来年が今以上に良くなる」という期待が
確信にかわってきたと私は書きました。
少子高齢社会で人口が減っていく一方の日本で、
将来の明るい材料はあるのかと一般的には
思うかも知れません。
しかし、日本人にはまだまだ大きな「資産」が
残っていると私は思っています。
それは、今まで幾多の苦難を乗り越え培った“経験智”と
日本人としての“誇り”という「資産」です。
日本国内だけの縮小していくエリアでものを考えると、
おのずと身も心も縮んでいく思いになるかも知れません。
でも、40年前大阪万博に沸き、豊かさを夢見た当時の
日本人のように、自分を新興著しいアジアの一員だと
考えると、ものの見方がまるで変わると思いませんか?
そして、そのアジアのコミュニティを家族に例えるとすると、
日本は最年長のお兄さん、お姉さんということになります。
“経験智”と“誇り”を胸に海外に一歩踏み出すという
勇気を持てば、きっと大きなチャンスに巡りあえるはず。
私は、来年そのビックチャンスに巡りあえるという予感が
確信にかわっているところなのです。
さて、2011年はどんな年になることやら・・・
とても楽しみでワクワクしています。
この1年本当にお世話になり、有難うございました。
来年もなにとぞよろしくお願いいたします。
では、ご家族のみなさんと
心温まる良いお年をお迎え下さい。
あらためまして、心より感謝の気持ちを込めて。