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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2024年9月20日【キーストーン通信2024年9月号】任意後見制度について
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【キーストーン通信
2024年9月号】
任意後見制度について
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木というのは正直です。千年たっても二千年たってもうそつきませんわ。
動けない所で自分なりに生きる方法を知っておるでしょ。
わたしどもは木のクセのことを木の心やと言うとります。
キーストーンメールマガジン編集担当野田です。
法隆寺金堂、法輪寺三重塔、薬師寺金堂や西棟などの復元を果たした
最後の宮大工棟梁西岡常一氏。冒頭はそんな西岡氏の言葉です。
西岡氏は既に亡くなっていますが、今回ご紹介する本「木に学べ」は、
1988年に発売されたものです。
1985年1月から1年半かけて編集者が話しを聞き、「聞き書き」の形で雑誌に連載されたものが
まとめられています。
法隆寺や薬師寺は、1300年以上前の木で組まれたものが残っていました。
しかもゆがむことなくまっすぐ。
それを可能にしたのが、千年・二千年の樹齢を持つヒノキの存在です。
その理由を西岡氏はこう語っています。
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自然に育った木は強いでっせ。木から実が落ちますな。
それがすぐに芽出しませんのや。出さないんでなくて出せない。
ヒノキ林みたいなところは、地面まで日が届かん。
何百年も種はがまんしておりますのや。
それが周囲の木が倒れるなどしてスキ間ができるといっせいに芽だすんですな。
木は日に当たって大きくなるから、早く大きくならな負けです。
となりのやつの日陰になってしまう。日陰になったらおしまい。
何百年もの間の種が競争するんでっせ。それで勝ち抜くんですから、
生き残ったやつは強い木ですわ。
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でも競争はそれだけやないですよ。
大きくなると、少し離れてた隣のやつが競争相手になりますし、
風や雪や雨やえらいこってすわ。
ここは雪が降るからいややいうて、木は逃げませんからな。
じっとがまんして、がまん強いやつが勝ち残るんです。
千年たった木は千年以上の競争に勝ち抜いた木です。
法隆寺や薬師寺の1300年以上前の木は、そんな競争を勝ち抜いてきた木なんですな
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西岡常一著「木に学べ」より
法隆寺の棟梁が受け継いできたものがあります。
この人こそ棟梁の資格があるという人にだけ、
文字ではなく口伝(こうでん)、つまり口で伝えるのです。
その中にあるのが「堂塔の木組は木の癖組」。
「飛鳥時代の大工は木のクセを知っていて、それを活かしている。
だから1300年経っても建物がそのまま残っている」とのこと。
では木のクセはどうやって生まれるのでしょうか?これも口伝にあります。
「堂塔の建立には木を買わず山を買え」
後半に続けます。
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◎コラム
任意後見制度について
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認知症や知的障害、精神障害などの理由で、財産管理(不動産や預貯金等の管理など)や
身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所の契約締結など)等の法律行為を
ご本人が行うのが難しい場合があります。
また、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、
悪質商法の被害にあう恐れもあります。
このような、ひとりで決めることに不安のある方々を法的に保護するのが成年後見制度です。
昨今は家族信託への関心も高まっており、そこから本制度のことをお知りになった方も多いと思います。
後見役を担う人のことを「後見人」と言いますが、2種類あることをご存知でしょうか?
「法定後見人」と「任意後見人」です。
どちらも本人に代わって財産に関すること等に対して代理権が認められています。
例えば介護サービス契約を締結できるなど、本人の利益につながる契約を本人に代わって
締結することが可能です。
また本人が行った法律行為に対して同意する権限(同意権)と、本人が行った法律行為を
取り消す権限(取消権)を持ちます。
ではこの2つ、何が違うのでしょうか?
ポイントは、制度検討段階時にご本人に意思判断能力があるか否かです。
●任意後見制度とは?
●法定後見制度と何が違う?
●認知症への事前対策として柔軟に活用できる
●「報酬を支払う相手が2人」のデメリット
言葉だけだと「任意後見制度のほうがいいよね」という感じですが、
本当にそうなのでしょうか?
世の中は耳障りのいい言葉に溢れていますが、それに惑わされて判断を誤らないでほしい。
それが今回のもう1つのテーマです。
任意後見制度について
今回解説いただいたのは、
杠(ゆずりは)グループ代表/司法書士 川原田慶太先生。
川原田先生は数多くの相続案件を手がけられ、
そのご経験を日本経済新聞電子版で「司法書士が見た相続トラブル百科」として連載。
大好評を博し、書籍化もされました。
弊社とも長年にわたりパートナーとしてお付き合いいただいています。
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◎土を知らんと大工になれん
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まずは木のクセについて、西岡氏の言葉を紹介します。
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木にはクセがありますのや。この木は右による、これは左によるというふうに。
その木のクセを見抜いて、右によるというのは寄らせないように、左に曲がるのは
そうならないように、うまく抱き合わせて組み上げていかなあきませんのや。
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揃えてしまうということは、きれいかもしれませんが、無理を強いることですな。
木には強いのも弱いのもあります。昔の人は木の強いやつ、
弱いやつをちゃんと考えて、それによって形を変え、使う場所を考えていたんです。
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いずれも西岡常一著「木に学べ」より
これが冒頭でご紹介した言葉につながるのです。
「わたしどもは木のクセのことを木の心やと言うとります。」
では、木のクセはどうやって生まれるのでしょう?
それが前半でご紹介したもう1つの口伝「堂塔の建立には木を買わず山を買え」です。
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「これは、ひとつの山で生えた木でもってひとつの塔を作る、堂を作るちゅうことや。
木曽の木や吉野の木やら四国の木を、まぜてはならんということですわ。
木というのは土質によって木の質が違うし、育つ環境によって木の癖がある。
木を買おうとするなら、山の環境を見て木を買えということですわ。
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そのために氏はここまでやっていたのです。
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伐採されてから見たのではあきまへんのや。木は立っているうちに見ないとあかんのです。
台湾へ行ったら、樹齢二千年の木がずっとはえているわけです。その中からあの木、この木とより分けます。
どこに重点を置くかといったら、若々しい葉の色をしていたらあきません。
中が空洞に決まってますわ。
二千年の正しい木は、二千年相応の葉の色をしています。
葉の色の渋いのが、中は詰まっているんです。
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いずれも西岡常一著「木に学べ」より
だから台湾の方が驚いたそうです。「こんな山の中まで木を見に来た日本人はいない」と。
おじい様が宮大工の棟梁で、口伝はおじい様から引き継いだのですが、
大工になる前に農学校に入れられたそうです。
そのおじい様はこう言っていたそうです。
「生きとし生けるものは自然の分身や。木であろうが草であろうが、皆自然の分身や。
その自然ちゅうもんは空気も水も太陽の光もあるけど、土がなければ育たない。
土を知らんと本当の大工になれへん」と。
「農学校に入れられたのは、日頃からおじいさんが言っていた『土は命の親』『自然は大切』
『自然は基礎』を体で覚えさせるためだった」と述懐されています。
今回ご紹介した本は40年前に発売されたものですが、
古さを全く感じない内容で、建築に携わる人だけでなく、
全ての人の自然に対する姿勢に警鐘を発しています。
弊社は相続・事業承継という面から資産や事業を次世代につなぐ
お手伝いをさせていただいております。
でもそれは、今より環境が悪くなっているかもしれないけれど、地球が今と同じように
存在していることが前提です。それがいかに不安定なことかと考え込んでしまいました。
もう西岡氏から新しい言葉を聞くことはできません。
今の状況を天国からどう見ていらっしゃるのでしょうか・・・
☆弊社へのご連絡方法☆
①本メールに返信いただく。
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