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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2023年6月16日【キーストーン通信2023年6月号】 遺産分割が終わっていない場合の留意点
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【キーストーン通信
2023年6月号】
遺産分割が終わっていない場合の留意点
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マジか・・・
出勤時にはあった隣の家の生け垣がすべて取り払われ、
使い古した家電なんかが庭に雑然と置かれ、
自転車が4台ぐらいあり、
漏れ聞こえる会話がどこの国のことばかわからない。
キーストーンメールマガジン編集担当野田です。
突然変わってしまった隣の家。
不安でいっぱいになりました。
その日から毎朝毎晩、様子をうかがっていました。
ゴミをちゃんと出してくれるのか。
夜、騒いだりしないだろうか。
庭に置かれたものは処分するのだろうか・・・
1週間ほど観察してわかったこと。
「きちんと住もうとしているけど、ゴミの出し方は教えてもらっていない」
そこで私は、ゴミ出しのルールが書かれた紙をコピーし、
カラスに荒らされない蓋つきのゴミ箱を準備し、
これらを渡して教えてあげようと決めました。
ちょうどその週末に町内一斉清掃が予定されていたので、
近所の方と一緒に話しをするという計画も立てました。
ここまで決めて「よしよし」と思ったのですが、
気付いてしまったのです。
日本語は通じるのか?
隣人として、あるいは会社の同僚として外国の方と関る。
皆さまにも十分起こりえる話しだと思いますので、
後半でこの顛末をご紹介します。
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◎コラム
遺産分割が終わっていない場合の留意点
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日経平均株価がバブル後最高値を更新。
不動産価格の上昇・物価高などで、ここのところ財産評価額が
高くなる傾向にあります。
資産価値が上がるのは嬉しい反面、相続税の対象になる可能性が
高まる懸念がでてきます。
相続税の申告・納税には期限があり、
「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」
となっています。
ある日突然相続が発生した場合、
資産内容が現預金が多ければ遺産分割は容易ですが、
不動産が多く含まれている場合は、売却で対応するにしても
納付期限に間に合わせるのは難しい。
ではどうしたらいいのか?というのが今回のテーマです。
結論から申し上げますと
●「法定相続分どおりに遺産分割を行った」として、
仮の相続税の計算・申告を行う。
↓
●遺産分割協議が完了した後、最終的に取得した相続財産の内容に
基づき、申告を再度行う。
税額が増加する場合は追加で納付し、減少する場合は還付請求。
という流れになります。
「そうか、心配しなくていいね」と安心するのは禁物です。
なぜでしょう?
遺産分割が終わっていない場合、
「税の優遇規定を受けられない」
「相続財産から納税資金に充てることができない」
等の制約を受けることになり、当初の申告において
税額負担が高額になったり、自分の資産で支払わなければならない
ということが起こるからです。
しかも相続税申告手続きを2回行う必要がありますし、
税理士への報酬を2度支払うことにもなり、
時間も費用も大きな負担となります。
長年かけて築かれた大切な資産です。
1円も無駄にしたくないですよね。
今回のコラムがお役に立つと嬉しいです。
遺産分割が終わっていない場合の留意点
今回解説いただいたのは、
愛和税理士法人社員税理士戸﨑健志先生。
20歳(最年少)で税理士試験に合格。
専門学校講師時代は高い合格率を輩出。
現場経験も交えたセミナーは「分かりやすい」と定評があります。
弊社とも長年にわたりパートナーとしてお付き合いいただいています。
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◎小さなことからひとつづつ
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一斉清掃の日、「話しをした」という方がいらっしゃって
●ベトナムの方が4人で住んでいる
●彼らが働く会社が社宅として借りている
●複雑な日本語は難しいけど、簡単な言葉なら理解してもらえる
ということがわかりました。
その方に私の計画を話していると、その家から人が出てきたのです!
「日常ゴミは火曜と金曜日で、緑色のゴミ袋で出します。
日常ゴミはこういうものね。
(ゴミ出しルールが書かれた紙のイラストの部分を指さす)
わかりますか?」
「わかります」
「OK。じゃぁ緑色、わかりますか?グリーンね」
「みどり、わかります」
「みどりの袋は買わないといけないけれど、知ってますか?」
(日常ゴミの収集は有料で、その袋が緑色)
「知ってます」
「どこで買えるか知ってますか?
サンエー(近所のスーパー。ここで売っている)、わかる?」
「わかります」
こうやって、大事なポイントは大きなひらがなで書き入れてあげながら、
その他のゴミの出し方も伝えました。
彼は一生懸命私たちの説明を聞いてくれました。
2日後の朝、日常ゴミの日。
家の前には渡したゴミ箱が置かれていました!
しかも、カラス対策のロックもちゃんとかけてくれていました。
ものすごく嬉しかったです♪
その後も様子を見ていましたが、洗濯物は毎日、
天気のいい日には布団も干され、
外に雑然と置かれていたものが少しづつ減り・・・
気が付けば、私は全く不安のない
元の日常生活に戻っていました。
近所の方も気になっていたようで
「会社の人が定期的に様子を見に来ているみたいですよ」と
教えてくれました。
みんな不安なんだと思いました。
そして、どうしていいのかわからない。
だって日常生活で「日本語通じるかな」なんて
考えたことなかったのですから。
その後、自治会の役員の方から
「外国の方が住み始めたという事例が何件もあがってきていて、
自治会でも、外国の方をスムーズに受け入れる体制を作って
いかなければならないという話しが出ています」と聞きました。
顔をあわせれば挨拶してくれますし、
早い人は朝の5:40ぐらいに自転車で出勤し、
大声で騒ぐこともなく、静かに暮らしていらっしゃいます。
みんな20歳代ぐらいの若者です。
言葉もあまりわからないこの国で働いて、故郷が懐かしいだろうし
寂しさを感じる日もあるでしょう。
だから、たまに笑い声が聞こえてくると、ほっとするんです。
どうか彼らにとってこの町が住み心地のいい場所であってほしい。
いつかベトナムに帰った時「懐かしい」と思ってもらいたい。
朝5:30、ぎっくり腰対策のために散歩している野田は
今日もお隣さんの様子を見守っています。
不安を感じる大きな要素は
「わからない」なんだと今回あらためて思いました。
相続・事業承継・ライフプランについてわからないことがあれば、
ご遠慮なく弊社にご連絡くださいね。
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