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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2018年6月4日【157号】人の幸せに関われる働き方をするということ
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【ライフナビ通信 第157号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【人が育つ仕組みについて考える】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【人が育つ仕組みについて考える】
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こんにちは。
唐突な話で恐縮ですが、私、先月の5月から
半年かけてある研修を受講しています。
これまでの約20年で、私は様々な研修を受け
てきましたが、今回の研修はちょっと意味合い
が違うものとなっています。
今まで受けてきた研修というのは、あくまで
自分の知識やスキルを広げ高めるための
ものでしたが、今回は社員とともに組織を
強くするための研修。
そういうこともあって、今回は弊社取締役2名も
一緒に受講してもらって、全社的な取り組みに
していきたいと考えています。
簡単に言うと、この研修は人が育つ仕組みを
作っていくというもの。これは社員教育と
いうことだけではなく、子どもの教育や自己
育成という面でも応用が効く話です。
月に1回、東京での1日研修でまだ1回だけの
受講ですが、なるほどと思える気づきが随所
にありました。
ということで、今回は「育成」というテーマに
ついてのお話しです。
題して、
【人が育つ仕組みについて考える】
それでは、本文に入ります。
■私自身、会社を経営していて常々思い
悩んでいることと言えば、人の問題。
とかく人の問題というと、好き嫌いと言った
人間関係の感情が絡む問題と思いがち
ですが、実はそういう問題とは違う側面が
あるということを最近ことに感じています。
人が3人集まれば、グループが形成され
そこで意見の食い違いが生じる。
■その意見の食い違いが、感情的な摩擦を
生んで、時としてぎこちない人間関係になって
しまう。
でも、冷静に世間を見渡せば、そんな職場
や組織の方が一般的で、そこに属する多く
の人がストレスを抱えて暮らしているという
のはよくある話です。
特に私が関与しているほとんどの経営者は、
ほぼ間違いなくこのような人の問題に悩んで
います。
■部下に対して親心で本人のために言って
いるつもりでも、その真意が伝わらず、逆に
反発を招いてしまう。
実はこの現象、親が子供に接する際にも
ありがちなこと。象徴的な光景でこんな
シーンが思い浮かびますよね。
「いつまでもテレビなんか見てないで、
ちゃんと勉強しなさい!」
■それに対して子供は、
「今やろうと思っていたのに、もうやる気
なくなっちゃった。」
親子の関係と職場での上下関係は少し
違うかも知れませんが、共通して言える
ことは、親子関係であれ上下関係であれ、
当事者双方の見えている世界が違うと
いうこと。
親も上司も「このまま放っておいたら、
いずれこういうことになってしまう」という
結果が経験値として見えているだけに
黙っていられない。
■でも、子供も部下も自分の将来の結果
がどうなるかというところまで見えていない
場合、やらされ感がつのって、反発しか
残らないことになってしまう。
では、この相互の食い違いをどのように
埋めていけば良いのか?
その答えが、今回私が受講している研修
にあるように思いました。
■「やらされている」から「やりたい」に
変わる仕組み。
この研修のテーマですが、社員自ら将来の
なりたい自分の目的・目標を明確にする
ことから始め、その目標に向けて具体的な
行動計画を期限を切って決めていく。
実はこの目標設定の手法、大リーグで
活躍している大谷翔平選手が高校生の時に
マンダラートという縦横81マスを埋めて
いくやり方で実践。実際その目標の通りに
なっているということで大変注目されてい
ます。
■今、若者たちが会社への帰属意識が
なくなり、大企業でもいとも簡単に辞めて
いく時代。
その背景には、目先の仕事にやりがいを
見出せず、自分の将来への展望が見え
ないからという理由が一番にあるようです。
会社の描く将来ビジョンと社員がなりたい
将来の姿が重なるように、社員一人一人
にその目標を描ける環境を整え、その達成
に向けたサポートを上司がおこなっていく。
■「育成」という言葉には、人を育てると
いう外発的な意味合いが込められている
ように感じますが、実は自発的にしか
人は動かないということをしっかり理解
することから始める必要があるようです。
人を育てようと思うより、人が育つ仕組み
づくりを考える。
そこには、とてつもないエネルギーや忍耐、
そして長い時間が必要かも知れませんが、
結果的にそれが一番の早道なのかも知れ
ませんね。
というところで、本日の話はこの辺で。
では、次回の「ライフナビ通信」をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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今までの人生を振り返ると、顧客へより質の
高い貢献をするために、自分が人間的に
成長することを強く念頭に置いて生きてきた
ように思います。
その結果、個人の実務レベルでのスキルや
実力も上がり、個人的には成長を実感できる
日々を過ごさせてもらっていると感じています。
ただ、ここに来て、その意識を実務家として
だけではなく、後継を育て組織を永続させて
いくことに意を払っていくことが、結果的に
顧客への長い目で見た貢献につながると
いう考えも強く持つようになっています。
自分の人生のライフプランを考えたとき、
実務家としての側面と事業を承継していく
という側面のバランス感覚がとても重要
だと思います。
今は、もう一息顧客へのコンサル力をさら
に高める。そして、それを体系立てて後継
に伝え、残していく。
そういうビジョンを共有し、承継してくれる
人が育つ仕組みづくりが大切なんですね。