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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2018年3月5日【第154号】顧客の心に寄り添うコンサルティングとは?
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【ライフナビ通信 第154号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【顧客の心に寄り添うコンサルティングとは?】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【顧客の心に寄り添うコンサルティングとは?】
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こんにちは。
17日間の熱戦が繰り広げられた平昌五輪。
過去最高のメダルを獲得した日本選手の
活躍が印象的でしたね。
フィギュアスケートの羽生結弦選手の滑りは、
23歳にしてまさしく王者の風格を感じましたし、
若干20歳の宇野昌磨選手のインタビューでは、
通常緊張する大舞台であれだけ冷静な自己
分析ができる若者がいるんだと、むしろ驚き
すら覚えました。
その他、メダル量産となったスピードスケート
やジャンプ、スケートボードなど、五輪の話題
は尽きませんが、多くの人の心に残ったのは
女子カーリング選手の「そだね~」という言葉
だったのではないでしょうか?
早くも今年の流行語として、取り上げられて
いるようですが、北海道特有ののどかさや
決して他者を否定することのない語感が、
多くの人の共感を得たように思います。
いつも明るく、選手同士で励まし合い、仲間
や応援してくれている人々へのメッセージと
して、今回の五輪を盛り上げてくれました。
「そだね~」
たった3文字の言葉ですが、人の心を慰める
効果絶大のキーワードですね。
その場を和ますシチュエーションがあれば、
私も使ってみようかと思っています。
でも、私が使うとたぶん滑るだろうなあ!
カーリングのストーンのように・・・(汗)
というところで、そろそろ今日の本題を。
今回は、人の心に寄り添うということについて
お伝えしようと思います。
題して、
【顧客の心に寄り添うコンサルティングとは?】
それでは、本文に入ります。
■弊社では4年ほど前から全国のFP向けに
相続・事業承継のコンサルティングに関する
講座を継続的に開催しています。
この1月2月にも私が講師として大阪と東京
で「事業承継戦略ナビゲーター養成講座」
を開催し、先日6日間の研修の最終日を
終えたところです。
今年は、事業承継税制の改正があることも
あって、講座の受講生も100名近くの参加と
なり、大変盛況の講座となりました。
■日本の高齢化の流れは、相続問題ととも
に中小企業にとっての後継者問題にも及び
もはや待ったなしの状況になりつつあります。
日本の企業の99%を占めると言われる
中小企業の後継者問題は、そのまま日本
経済の浮沈にかかわることなので、国も
本腰を入れて事業承継に対する方策を
検討しています。
ただ、ここで問題となるのが、事業承継の
問題を抱えた経営者が誰に相談して良いか
その相手が身近に見当たらないということ。
■通常、事業承継問題の相談窓口という
と税理士や銀行と思われがちですが、
実はそうとも言えない状況があります。
事業承継の問題は、現経営者から次期
承継者に経営のバトンを渡すのに何年も
先のことを計画していく必要があります。
その点、顧問税理士はその期その期の
決算申告を主業務としているので、将来の
事業計画の相談まで手が回らないという
のが、多くの税理士の実情のようです。
■また、銀行は人事移動が頻繁にあり、
支店長をはじめ担当者レベルでも3年を
目安に担当者変更があるのが通例。
何年にも及ぶ事業承継対策の相談に
腰を落ち着けて、担当者が携わるという
ことが難しい状況にあります。
事業承継や相続対策の相談というのは、
何年も先の将来を見据えて、来るべき
時に備えて、計画をしておくべきもの。
■そういう意味では、個人のご家庭の
ライフプランニングをするのと同じように
長期間にわたって将来設計を相談する
のは、FPが適任と言えなくもないのです。
もちろん、事業承継や相続の問題という
のは、税務・法務や不動産その他専門
領域の知識や実務能力が必要となって
きます。
しかし、そもそも事業承継や相続の問題
解決をする場合、各種分野の専門家の
協力なくしては、ことが進みません。
■つまり、事業承継や相続対策を総合的
に解決する場合、専門分野のプロが連携
して、ことにあたっていくというのが理想的
と言えるのです。
また、事業承継や相続分野の相談は、
とかく税務や法務など専門知識を必要と
する分、難しい話となりがち。
その難しい領域の入り口の話を顧客の
視点に立って、かみ砕いて説明すること
に長けているのは、実はFPという職種
だったりするのです。
■弊社が主宰する事業承継や相続の講座
は、あくまで相談者の視点で難しいことを
体系だってわかりやすく伝えるスキルを中心
に学んでもらっています。
そして、この講座で私たちが一番大切に
していることが、顧客の心に寄り添いながら
継続的な信頼関係を築いていくということ。
事業承継や相続といった問題は、とかく
税金や法律的な視点でものを語りがちに
なりますが、相談者にとっての一番の悩み
は、実は感情の部分であることがほとんど
と言って過言ではないのです。
■多くの人が、事業承継や相続の問題に
端を発し、様々な人間模様のなかでその
関係に悩み、誰にもその想いを相談でき
ずに苦しんでいる。
多くの事業承継や相続の相談案件を経験
していくうちに、私はそのことに気づかされ
ました。
顧客が一番望んでいるのは、言いようのない
その感情の部分を整理し、自分が納得した
解決策を見出していくことにあるのだと、
今私は確信しています。
■顧客の心に寄り添うコンサルティングを
おこなうことで、高い満足度が得られる。
この部分については、限られた紙面では
語りつくせませんが、少し編集後記で触れ
させていただきますね。
ということで、本日の話題はこの辺で。
では、次回の「ライフナビ通信」をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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「顧客の心に寄り添うコンサルティング。」
なんとなく耳障りの良い表現でお茶を濁している
ように思われるかもしれませんが、私が顧客から
支持を受けているところがあるとすれば、そこに
尽きるのかなと感じています。
「心に寄り添う」という言葉を置き換えるとすれば、
それは「共感」というキーワードになるでしょうか。
「あなたの(悩んでいる)ことを理解していますよ」
もしくは、「理解しようとしていますよ」という
メッセージが、どれほど相談者の心に響く
ものとなることか。
黙って相談者の話に耳を傾け、適切な質問を
挟みながら、話の中から問題点を整理し、まず
やるべき優先順位の高い解決策を見出していく。
事業承継や相続のように複雑な問題が絡み
あったもののコンサルティングにコツがある
とすれば・・・
傾聴力と問題整理力。
私の講座では、このことを中心に教えています。