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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2014年7月18日【第102号】一見真逆と思える情報から何を読み取るか
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【ライフナビ通信 第102号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【一見真逆と思える情報から何を読み取るか】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【一見真逆と思える情報から何を読み取るか】
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こんにちは。
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
先週末から週明けにかけて、とある金融機関の研修旅行で
5日ほど海外に出かけていたのですが、帰国の関西空港で
夏の訪れを感じることがありました。
ジィージイージィーと鳴く蝉しぐれ。
そう言えば私、海外で蝉しぐれを聞いたことがありません。
蝉しぐれと言うのは、日本特有の夏の気配を感じさせて
くれる風物詩なんでしょうね。
さて、今回の海外での日程は、比較的自由時間が多かった
ので、本を数冊買いこんで、機中とホテルで読書三昧の
時間を過ごしておりました。
その中の2冊の本が、とても対照的なものだったので、
今回はその内容について、少し触れてみたいと思います。
題して、
【一見真逆と思われる情報から何を読み取るか】
それでは、どうぞ。
■先週、お客様とFP相談をさせていただいているときに
お客様が、不意にこんな話を切り出されました。
「最近、藤巻健史さんの『迫り来る日本経済の崩壊』という
本を読んだのですが、これからの日本はほんとうに大丈夫
なのでしょうか?」
藤巻氏の本については、このメルマガでも過去に紹介させ
ていただいたことがあったのですが、この本はまだ私も
読んでいなかったので、早々に読ませていただいて私なり
の意見をお伝えさせていただきますと言って、その場の
話は切り上げさせていただきました。
■そして、その翌々日。
話は変わって、弊社が取り扱いを始めた投資信託の担当
ファンドマネージャーT氏を招いて商品勉強会をした折の話。
このファンドマネージャーの投資・運用、そして金融全般の
見識の高さに感銘を受けた私は、思わず次のような質問を
してみました。
■「最近の金融に関する本で、Tさんが読んでお勧めの本が
あれば、ご紹介いただけませんか?」
そこでT氏、しばし考えたうえで、
「そうですね。私が注目している人で言うと、金融アナリスト
としても定評があり、シティグループ証券副会長でもある
藤田勉さんなんですが、その人の近著『2020世界のマネー
は東京に向かう!』という本はお勧めです。」
との答え。
■というわけで、T氏との面談後、上記2冊と何冊かの本を
まとめ買いをして、旅行に携えて行ったという次第です。
ここでは、上記2冊以外の本の言及は避けるとして、この
2冊の本に絞って少し内容に触れてみたいと思います。
かたや、元金融ディーラーでジョージ・ソロス氏の
アドバイザーも務めたことがあるという、現参議院議員
藤巻健史氏が書いた『迫り来る日本経済の崩壊』(幻冬舎)
という本。
そして、もうひとつは、日経アナリストランキング日本株
ストラテジスト部門5年連続1位の実績を持った藤田勉氏が
書いた『2020世界のマネーは東京に向かう』(毎日新聞社)
という本。
■お二方とも金融の世界では、かなり名をあげた実績の持ち主
ですが、今後の日本経済に対する見解で言うと、真逆の考えを
お持ちのように見えます。
このまま赤字国債を発行し続けて、国の累積赤字を増やし続け
れば、財政破綻しないわけがないとまで言い切る藤巻健史氏に
対し、オリンピックとアベノミクス効果で世界のお金が日本株や
東京の不動産に集まり、経済は成長していくという藤田勉氏。
どちらの本を読んでも、とても説得力のある論拠が示されて
いるので、どちらの言葉を信じて、自分たちがどんな行動を
とるべきか、とても判断に迷ってしまいます。
■一見相反するふたつの意見。
それぞれの意見をどのように解釈して、自分たちの行動に
つなげていけば、良いのでしょうか?
私なりの見方としては、まず両者の共通項を探ってみて、
そこから見えてくるものを手掛かりに行動の仮説を立てる
ということ。
■具体的には、藤巻氏の財政破綻説で想定されることは
ハイパーインフレによる超円安であり、藤田氏の説も世界的な
カネ余り現象のなか、円安を基調とした日本へのマネーの流入
という構造があると考えられます。
そういう意味では、今後自分たちの資産を守っていく有効な
手立てとしては、将来にわたる円安に備えるという意味で、
円だけで資産を持つのではなく、ある程度通貨分散も心がけて
おく必要があるのではないかということです。
実際、藤巻氏も結論で資産を防衛するには世界で強い存在感を
示している米ドルを持つことを勧めています。
■このふたつの本を読んで、「円資産から外貨資産へ一定比率
ポートフォリオを組み替えること」に結論付けるのは、いささか
論理が飛躍しすぎているかも知れません。
しかし、様々な情報が交錯する中で、今世の中でどんなことが
起こっており、それに対して自分がどのように対処する方策を
持つべきなのかという仮説を持っておくことは、とても重要な
ことだと思います。
これからの時代、いつ何時、何が起こっても決して不思議では
ない流れにあると個人的には感じています。
■実は、1年ほど前にも日本経済、そして世界の動きについて、
このメルマガでお伝えしたことがありました。
前回は、2号にわたってもう少し突っ込んだ記述をしています。
もし、お時間が許すようであれば、参考にしていただければ
幸いです。
【第74号】アベノミクスはどこに向かっていくのか?
http://www.kanameishi.com/blog/mailmag/action/1719.html
【第75号】仕掛けられたバブルが日本を襲う
http://www.kanameishi.com/blog/mailmag/action/1725.html
ということで、本日はこの辺で。
次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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前回号のこのメルマガで、コンサルタントの仕事について
触れさせていただきましたが、先日10年来の友人であり
経営コンサルタントをしている和仁達也さんから、久しぶり
にメールをいただきました。
和仁さんとは、ある経営者の勉強会で1年ほど一緒に
学ばせていただいた仲ですが、頭脳明晰で誠実な人柄、
コンサルタントとしての能力、人格共にとても尊敬して
いる方です。
その和仁さんが、自身10冊目となる新刊を上梓された
とのこと。
本の題名は、
『決定版 年間報酬3000万円超えが10年続く
コンサルタントの教科書』(かんき出版)
和仁さんは、この市場はそれを望んでいる潜在顧客は
たくさんいるにも関わらず、サービス提供できるコンサル
タントが未だ少ないため、同志を増やすことでそのマーケ
ットを広げたいと考え、この本を執筆されたそうです。
また、今回特別に7月16日~25日までの10日間、
出版記念キャンペーンとして、この期間にAmazonや書店で
購入された方に、3時間のセミナー動画
「価格競争に巻き込まれず 高額報酬で契約が5年以上
続くコンサルティング・ビジネスの着眼点」
を無料プレゼントしていただけるそうです。
詳細はこちらです→ http://wani-mc.com/consulcam
私も早速この本を読ませていただきましたが、同じ志を
持つ仲間でともに成長していきたいという和仁さんの想い
にとても共感を覚えました。
よろしければ、ぜひこの本をお手に取ってご覧ください。