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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2014年3月7日【第93号】投資の世界で負けない秘策があるとしたら?
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【ライフナビ通信 第93号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【投資の世界で負けない秘策があるとしたら?】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【投資の世界で負けない秘策があるとしたら?】
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こんにちは。
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
3月と言えば、確定申告や多くの企業の決算月と何かと
慌ただしい時期ですね。
まだ、少し肌寒さが残りますが、日増しに春の気配が感じ
られる今日この頃。
巷では、ビットコインなるものの消失問題が騒動になって
いますが、金融の世界の仮想と現実。
この世界に携わる人間として、実態を伴ったわかりやすい
情報を提供する責任と重要性をあらためて感じています。
特に投資や運用といった話は、お客様の大切な資産に関わ
るものですので、慎重にお伝えしなければなりません。
投資を「儲け話」として話をするか「資産形成の合理的手法」
として話をするかで、大きくスタンスが変わってきます。
そこには、投資という言葉が持つ心理的な要素も含めて
考える必要があると思います。
ということで、そろそろ今日の本題を。
本日は、前々回のこのメルマガで取り上げた投資の世界の
「負けない戦術」についてのお話をしたいと思います。
題して、
【投資の世界で負けない秘策があるとしたら?】
それでは、どうぞ。
■投資の世界で一代で名を成したウォーレン・バフェット氏
はあまりにも有名ですが、みなさんはピーター・リンチ氏と
いう人をご存知でしょうか?
彼はアメリカで伝説のファンドマネージャーと謳われた人で、
フィディリティの株式投資信託「マゼラン・ファンド」の
運用を担当し、驚異的なリターンを挙げました。
当初2,000万ドルだった預かり資産を1977年から
90年の13年間で140億ドルと、なんと700倍にまで
押し上げ、基準価格でも約25倍にまで成長させたのです。
■ただ、興味深い話はこれからで、13年で25倍の価格に
高騰したファンドなので、さぞかし多くの人が儲けただろう
と思いきや、事実はそうではありませんでした。
このファンドで儲かったのは、たった2割の人で残りの
8割は負けてしまったというから、不思議なものです。
そこに一体どういうカラクリがあったのでしょうか?
■答えは単純明快。
負けた人は、買った時より売った時の方が価格が低かった
ということだけなのです。
13年間高騰を続けたマゼラン・ファンドも一本調子で
上がり続けたわけではなく、相場に応じて上げたり下げたり
を繰り返して長期的には大きく上昇しましたが、それでも
相場に負けた人の方が圧倒的に多かった。
■人間の心理というのは、相場では損をするようにできて
いるという定説があり、実際多くの人が投資で失敗して
います。
人間誰しも損はしたくないという心理が働き、損切りの
判断が遅れがちになり、一方で利益は確実に手に入れたい
ので早めに手仕舞いをして利益を確定したがる傾向がある
ようです。
この心理ギャップの差が8対2のアンバランスを生み、
結果的には、多くの人が相場で損失を被ってしまう。
■また、投資の世界で多くの人が結果的に負けてしまう
要因がもう一つあります。
投資で百戦百勝はあり得ません。たとえ99連勝していた
としても、最後の1戦で大負けを喫したら結果的に負けて
しまうことが往々にして起こるということです。
投資とギャンブルは似たような性質があり、勝てば勝つほど
負ける気がしなくなり、投資額が膨らんでいき、どこかの
タイミングで相場が暴落すると、最終的に大損失を被って
しまう。
■1985年の初版以来、投資家のバイブルとして読み継がれ
ているチャールズ・エリス氏の名著「敗者のゲーム」。
この本のなかでエリス氏は、上述したような「敗者のゲーム」
を繰り返す投資家に対して、敗者にならないための秘策を
伝えています。
それはどんなことかというと、
人生の終盤で成功するために時間を味方につけ、市場の
相場に連動するようなインデックスファンドなどで長期分散
投資を行ない、投資で負ける可能性を最大限に減らしなさい
という考え方なのです。
■一般的には、投資で儲ける=勝つ投資という風に投資を
捉えがちですが、エリス氏は負けない投資に徹して失策を
防ぎながら、資産を形成していくことに重点を置いています。
長期分散投資を行なうことで、インフレリスクに対抗し、
老後に備えるという手法は、我々FPが推奨する資産形成
の考え方と基本的に同じです。
積立型でコツコツ長期国際分散投資をすることは、今や投資
の王道と言われています。
■実際、私も以前から積立型の長期分散投資を行なっており、
一定の成果が上がっています。
自分がやっているからということで、お勧めするということ
でもありませんが、資産形成の第一歩はやはり積み立て投資
がとても有効だと思います。
ただ、私は最近それ以外の「負けない投資」について、他に
大変注目しているものがあります。
その話も今日させていただきたいのですが、文字数の都合で
日を改めて、次回以降とさせていただきます。
ということで、本日のところはこの辺で。
では、次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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春になると、なぜか何かを始めたくなる心理が働くものなの
ですね。
実は私、来週あたりからいくつかのセミナー企画を始める
ことにしています。
来週はある社団法人さんと共同で「終活セミナー」を2本。
また、4月に入ればFP向けに「相続コンサル養成講座」の
全4回シリーズを大阪と東京で開催します。
それと昨年からの引き続きで、とある企業様との共催で
「相続セミナー」も継続開催が決まっています。
できれば、弊社セミナールームを使って、みなさま向けに
FPセミナーも再開させていただきたいと思っています。
内容や日程が決まれば、このメルマガでもご案内させて
いただきますので、よろしければご参加くださいね。