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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
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※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2013年8月2日【第79号】「相続」と「税金」の関係について
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【ライフナビ通信 第79号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【「相続」と「税金」の関係について】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【「相続」と「税金」の関係について】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
いきなり藪から棒の質問で恐縮ですが、みなさんは年に
どれくらい「税金」について、考える機会がありますか?
会社を経営されている方や個人事業主の方は、少なくとも
年に1回、決算や確定申告の必要がありますので、「税金」
について、少なからず意識されている方も多いと思います。
一方、会社にお勤めの方は、給与明細に所得税や住民税の
記載はあるものの、実際自分で「税金」を払っているという
感覚は少し希薄になりがちなもの。
かく言う私も会社勤めをしていた頃は、自分が年間にいくら
ぐらい税金を納めているかも、あまり気にかけていなかった
ように思います。
でも、いざ自分が納める税金の額が具体的な数字で見えると
人間の意識というものは、どうも変わるようですね。
例えば、来年の消費税増税に向けて、住宅業界は駆け込み
需要で業績があがっているという話を聞きますし、それに
対し安倍総理は消費税増税後の反動を懸念して、税率や
時期の見直し検討を指示したとのこと。
日頃私たちは税金について、それほど意識する機会は少ない
かも知れませんが、実は税金というのは、日常の消費活動や
経済に密接にかかわっています。
そこで本日の【ライフナビ通信】では、ここのところ
シリーズでお伝えしている「相続」というテーマと、
それにかかわる「税金」の関係について、お話をさせて
いただこうと思います。
題して、
【「相続」と「税金」の関係について】
それでは、どうぞ。
■最近新聞を見ていると、やたらと「相続」に関するセミナーや
「NISA(少額投資非課税制度)」に関するセミナー広告が目に
つきます。
「NISA」については、また別の機会に話をさせていただこうと
思いますが、いずれのテーマも税制改正にともない今脚光を
浴びているということが共通点のようです。
ちなみに、どちらのセミナーも告知をすると、とても反応率が
高いようで、先日私が講師を務めさせていただいた相続に
関するセミナーは、早々に定員の数倍の申込みをいただいた
ということで、その関心の高さに私自身も驚きました。
■その相続セミナーもおかげさまで定期的に開催する運びに
なりそうなのですが、ここで少しそのセミナーで話した内容を
ご紹介させていただこうと思います。
そもそも、“相続”に関する話題に関心が高まってきた背景
には、平成27年1月から始まる相続税の税制改正があります。
そのポイントは、なんと言っても相続税の基礎控除額の縮小に
よる実質的な増税及び相続税を支払う対象者が大幅に広がる
ところにあります。
■具体的に基礎控除額が縮小される内容としては、現在の
相続税の基礎控除が、5,000万円+1,000万円×相続人の人数
であるのに対し、
平成27年1月以降の改正で、
3,000万円+600万円×相続人の人数ということになり、
基礎控除の枠が、現在の6割の水準にまで縮小されることに
なるのです。
■そこで、今回の税制改正で新たに相続税を心配する必要が
出てきそうなのが、都市圏で戸建て住宅や好立地のマンション
をお持ちのご家庭。
仮に父母と子供二人のご家庭で、父親が先に亡くなるいわゆる
一次相続のケースだと、相続税の基礎控除は、
3,000万円+600万円×3名=4,800万円
つまり、このケースの場合、不動産を含め合計の資産が
4,800万円以上あれば、相続税の課税対象者になるということに
なります。
■先日の新聞紙上にも
「相続税の課税対象者、首都圏でほぼ倍増」という見出しが
おどっており、今回の税制改正で相続税のことを気にしないと
いけない世帯は、かなり増えそうです。
そんななか、私が講師をさせていただいたセミナーで、受講者
の方々にとりわけ関心が高かった内容が、相続に関する
優遇税制や贈与税などの「税金」の話。
確かに税金に関する知識は、知っているか知っていないか、
またその情報を活用し、しっかり対策をとるかとらないかで、
納税の際に金額的に大きな差が生じます。
■そういう意味で言うと、相続税を心配する必要のある方に
とっての「相続」対策というのは、まさしく「相続税」の
対策をするということとほぼ同義語なのかも知れません。
では、具体的な「相続税対策」とは、どういうことをすれば
いいのか?
「相続税」対策には、大まかに言うと「節税」対策と「納税」
対策のふたつがあると言われています。
■ひとつ目の「節税」対策というのは、文字通り相続税を低く
抑えるということになりますが、この方法にも実は二通り
あるのです。
そのひとつが相続財産自体を圧縮するという方法で、具体的
には相続が発生する前に贈与を効果的におこなっていき、
相続財産を減らすことで、相続税の節税をはかるというもの。
贈与税には年間ひとりにつき110万円という非課税枠が
あるので、これを毎年有効に使っていくことで、節税対策と
しては大きな効果が得られます。
■また、最近話題になっている孫への教育資金贈与1,500万円の
非課税枠を活用することによって、一気に孫の代に資産を移転
することも節税効果が高いと言えます。
ただ、ご承知の通り使途が教育資金に限られるという点と
この制度が平成27年の年末までの時限立法であるということを
忘れてはいけませんが。
なお、相続税の税率が高い富裕層にとっては非課税枠の110万円
以上の贈与をおこなっても、むしろトータルで支払う税金が低く
抑えられることもあるので、相続税と贈与税のバランスを
考えながら相続の対策をしていくことも重要です。
■次にもう一つの「節税」対策について。
具体的には相続税の優遇税制を活用し、相続財産の評価を圧縮
するという方法なのですが、ここでは不動産を活用する
いくつかの優遇税制があるということだけ、お伝えするに
とどめさせていただきます。
また、生命保険の死亡保険金「500万円×法定相続人の数」
の非課税枠を活用するというのも、相続税の優遇制度と言える
でしょう。
■そして、最後に「納税」対策について。
これはどのようにして納税資金を確保するかということですが
この対策に有効とされるのは、先ほども出てきた生前贈与と
生命保険の活用。
相続税の納税は、相続が発生した翌日から10か月以内に
現金で納めることと決められているので、そういう意味でも
生命保険は相続対策の強い味方であると言えるでしょう。
相続対策については、ご家庭によって事情が異なるため、
一概にどれが良いと決められるものではありません。
何か気懸かりなことがありましたらお気軽にご相談ください。
以上、本日は相続を「税金」の側面から考える時間とさせて
いただきました。
では、今日のところはこの辺で。
次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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弊社では、全社員で7月からある取り組みを行っています。
それは何かといいますと、キーストーンフィロソフィーの策定。
弊社が大切にすべきものを社員で共有し、将来のビジョンに
向けてのベクトル合わせをしていく。
実は、来週末に京都で合宿をおこない、最終の明文化まで
一気に進めるつもりです。
また、みなさまにご報告できるようになれば、このメルマガで
ご報告させていただきたいと思っています。
なお、今月は8月14日(水)から18日(日)まで、
お盆休みをとらせていただく関係で、次回の【ライフナビ通信】
は、8月23日(金)の配信とさせていただきますので、
ご了承のほど、よろしくお願いいたします。