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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2013年5月31日【第74号】アベノミクスはどこに向かっていくのか?
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【ライフナビ通信 第74号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【アベノミクスはどこに向かっていくのか?】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【アベノミクスはどこへ向かっていくのか?】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
昨年末からアベノミクス効果で活況に沸いた日本の株式市場。
ここにきて、その株式市場がどうも変ですね。
昨年11月頃まで、日経平均9千円あたりで推移していた株価が、
年末に自民政権になって以降一本調子で上げ続け、5月23日には
15,942円の高値を付け、この半年でなんと1.8倍に。
その5月23日に高値を付けたかと思うと、同日から大きく反落し、
その後乱高下を繰り返し、昨日30日の終値は13,589円と1週間で
15%下落したことになります。
さて、この先日本の株式市場はどうなるのか?
いやいや、アベノミクスそのものがどうなっていくのか?
今日は、とても大きなテーマではありますが、この問題に触れて
みたいと思います。
題して、
【アベノミクスはどこに向かっていくのか?】
それでは、どうぞ。
■昨年末の安倍政権発足以降、誰が名付けたのか「アベノミクス」
なる言葉とともに、にわかに日本の市場が動き出しました。
株式ならびに不動産市場は盛り上がりを見せ、為替は円安に向い、
日本の名だたる輸出企業もようやく息を吹き返し、日本経済も
ここに来て、もち直してきたかのように見えなくはありません。
では、そもそもこの「アベノミクス」とは何なのか?
■ウィキペディアによりますと、「アベノミクス」とは、デフレ
経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、大胆な
金融緩和措置を講ずるという金融政策とあります。
具体的には、日銀による大量の通貨供給(紙幣の増刷)を行い、
国債を買い支えることで、なだらかなインフレをおこしていく
というもの。
ただ、この金融政策。
果たして、その効果はいつまでも続いていくものなのでしょうか?
■日銀が紙幣を刷り続け、国債を買い続けるとしても増えるのは
国の借金。
リフレ派と言われる「アベノミクス」を推奨する経済学者や
国会議員の人達は、通貨の供給量を調整することで、インフレ
ターゲット(2%)を維持することは可能だと言っています。
また、国債という国の借金もそのほとんどが、国内でまかなわれ
ているので、膨大に借金が膨れ上がっても大丈夫というような
楽観論が主流です。
■一方、それに対して異を唱える政治や経済の専門家も多く、
いずれ日本はハイパーインフレが起こり、国家破綻の可能性すら
あるといったかなり突っ込んだことにまで言及している本も
数多く見かけます。
実際、私も「アベノミクス」がどこに向かおうとしているのか
を知る意味でリフレ派と言われる人達が書いた本もそれに異を
唱える人達が書いた本もそれなりに読んでみました。
ちなみに、以下私が最近読んだ本で、印象に残ったものを
サブタイトルなどとともに記載させていただきますと、
『アメリカは日本経済の復活を知っている』
講談社 浜田宏一氏
~ノーベル経済学賞に最も近いといわれる巨人の、救国の書だ!!~
『アベノミクスの真実(安倍総理公認)』
幻冬舎 本田悦朗氏
~デフレ脱却へーこれから劇的に変わる日本経済の必読書~
『金融緩和で日本は破綻する』
ダイヤモンド社 野口悠紀雄氏
~安倍政権の政策では、制御不能なインフレが起きる!~
『ひとたまりもない日本』
朝日新聞出版 藤巻健史氏
~「金融緩和」「上げ潮政策」で最悪のハイパーインフレが襲う~
『日銀発のバブルで黄金の7年が始まる』
徳間書店 菅下清廣氏
~円は1ドル120円、日経平均は2万円を目指す!~
『浮かれバブル景気から衰退させられる日本』
徳間書店 副島隆彦氏
~アベノミクスは、「行きはよいよい、帰りは怖い」だ。~
『アベノミクスが引き金になる日本国債暴落のシナリオ』
中経出版 石角完爾氏 田代秀敏氏 共著
~死に至る処方箋「リフレ」が来る。「明らかにギャンブルだ」~
『日本の国家破綻に備える資産防衛マニュアル』
ダイヤモンド社 橘玲氏
~恐れる必要はない しかし、備える必要はある!~
『日本バブルの正体 なぜ世界のマネーは日本に向かうのか』
東洋経済新報社 原田武夫氏
~これから3年、株・不動産は空前の規模で上昇する!~
『ジャパン・シフト 仕掛けられたバブルが日本を襲う』
徳間書店原田武夫氏
~買われる条件はすでに整っている~
■ざっとこんな感じで本のタイトルだけの紹介で恐縮ですが、
ここまで私が本を読み進めていくうちに、「アベノミクス」の
全体的な輪郭がおぼろげながら、仮説として感じ取れるように
なってきたように思います。
これは、あくまで私見も交えての話すので、このメルマガに
掲載することも本来はばかられることかも知れませんが、
お客様の資産形成の助言をさせていただく立場として、敢えて
書かせていただいていること含みおいていただければ幸いです。
私が、上記のなかで、特に気づきを多く感じたのが、最後の2冊
に挙げた原田武夫氏の本の内容です。
■特に『ジャパン・シフト仕掛けられたバブルが日本を襲う』
という本は、昨年の10月に出版されたもので、年末以降の日本の
株や不動産が上昇して、バブル化することを事前に言い当てて
いる格好になっています。
原田氏によると、世界のマネーはそれぞれの国の思惑が複雑に
絡み合いながら日本に向かっており、それがバブル化していく
ことになる。ということを主に語っています。
そして、「日本はまもなく2度目の平成バブルを経験することに
なる。しかもそれは1度目の時よりもはるかに大きなバブルだ」と。
■ここから、やっと本題に入っていくところですが、紙面の都合も
あり、続きは次号で書かせていただくことにいたします。
次号では、諸外国の思惑と合致したアベノミクスが、今後
どのような展開をみせる可能性があるかについて、参考文献など
を織り交ぜてお話をさせていただきたいと思っています。
では、今日のところはこの辺で。
次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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今回取り上げさせていただいたテーマは、本来メルマガで
書くこと自体、タブー視されていることかも知れません。
しかし、2010年10月にこのメルマガを創刊させていただいた
動機が、少子高齢社会という避けて通れない問題を抱えた
日本の中で、日本人の生き方そのものについて読者の方々と
考えていきたいというものでしたので、難しい問題ではありますが
敢えて触れさせていただいています。
今の株価や不動産価格上昇の流れというのは、高度成長期を
終えた日本では、やはり作られたバブルと考えた方が、自然で
あるように私自身は感じています。
歴史は繰り返すと言われますが、今世界で、そして日本で何が
起こっているのかをしっかりウォッチしながら、この時代を
わたしたちがどのように生きていくべきなのかを考えていかないと
いけませんね。