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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
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※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2013年4月19日【第71号】子供の教育について、親として出来ること
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【ライフナビ通信 第71号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【子供の教育について、親として出来ること】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【子供の教育について、親として出来ること】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
早速ですが、実は私、先週から毎朝始めたことがありまして。
それは何かと言いますと、うちの長男との早朝対話。
対話というより、授業と言った方が良いぐらい私が長男に対して
ほぼ一方的に話しているわけなんですが。
時間は、だいたい5時半くらいから小一時間程度。
長男も今後の進路など、いろいろ悩んでいることもあるようで。
日頃、ほとんど家の中でも会話がなかった父と子が、こんなに
時間を取って話すことは、過去にも無かったように思います。
会話の内容は、私が歩んできた人生についての振り返りや
日本・世界の歴史や人生観の話など。
めずらしく、毎朝話が終わった後は、「ありがとう」と息子の方から
言ってくれるようになりました。
この話もう少しさせていただこうと思いますが、続きは編集後記の
ところでいたしますね。
では、今日の本題を。
今日は、マレーシアのジョホールバルに子供の教育のために
移住されたとある母子のお話から始めたいと思います。
題して、
【子供の教育について、親として出来ること】
それでは、どうぞ。
■先日、マレーシアのジョホールバルから嬉しいメールが届きました。
メールの主は、先月日本の学年で言うと中2になるお嬢さんと小1の
息子さんとともにマレーシアに移住をされたSさんからのものでした。
以前、私のところに海外移住のご相談に来られたということで、この
メルマガでも取り上げたことのある、そうあの方です。
■ご本人にも、このメルマガで取り上げさせていただくことをご了解
いただいたので、少しSさんについてご紹介させていただきます。
Sさんご一家は、以前ご主人様の転勤でブータンに赴任していたこと
もあり、海外の生活には慣れてはいると思うのですが、今回は少し
勝手が違います。
ひとつはその最愛のご主人様を数年前に亡くされて、今回は
彼女ひとりで二人の子供さんの教育のために大きな決断をして、
マレーシアに移住されたということ。
■そして、もうひとつは、大学生になる長女さんを日本に残しての
母子3人での移住であるということ。
長女さんは、日本にひとり残っての生活なのですが、
自立心旺盛でとてもしっかりした娘さんです。
実は、この長女さんが、お母さんに代って次女さんのジョホールバル
でのインターナショナルスクールの見学会に参加して、学校を決めて
来たというのですから、末頼もしい限りです。
■また、次女さんもとてもしっかりした聡明なお子さんで、昨年
大阪の某難関中学校の狭き門を突破したにもかかわらず、海外での
経験を優先されたのですから、母親であるSさんならびに次女さん
ご本人の海外への思い入れのほどがうかがえます。
さて、そんなSさんご一家とご縁をいただいたのは、一昨年9月号の
日経マネー海外移住特集の子供の教育に関するページに私のインタ
ビュー記事が掲載され、それをたまたまSさんが見て、弊社ホームページ
からFP相談のお問い合わせをいただいたのがきっかけでした。
そして、それ以来お付き合いが深まり、要所要所でライフプランの
ご相談をさせていただいております。
■今回のSさんからのメールでは、今ジョホールバルでは欧米系や
シンガポール系のインターナショナルスクールの建設ラッシュが起こって
おり、それに伴い子供の教育に熱心な親御さんのロングステイや移住に
対する注目が高まっているようです。
この秋に開校するインターナショナルスクールの学校説明会に
Sさんも早速参加されたそうですが、そこに集まった父兄は実に多彩で、
学校側の最初の挨拶も英語、中国語、日本語、マレー語、韓国語で
行われたとのことです。
また、学校の子供達を受け入れる教育環境も素晴らしく、日本で人気
の高い中高一貫教育などと比較しても率直にレベルの差を実感し、
大きな感動があったとメールの内容からもひしひしと伝わってきました。
■Sさんから送られてきたジョホールバル到着早々の近況をつづった
メールでは、不慣れな地で起こりがちなトラブルもほとんどなく、
とても充実した生活ぶりがうかがえます。むしろ将来の可能性に
向かって生きていこうという決意やたくましさを感じました。
現地で賃貸のコンドミニアムの世話をしてくれた日本人経営の不動産
会社の方々もとても親切にしてくれ、身の回りのことに不自由を感じる
ことなく食事も含めて日本とほぼ変わらない生活がおくれていること。
子供達も早速現地の学校に慣れ、友達もできて大変楽しそうだという
ことなど、心からジョホールバルでの教育環境を選択してよかった
という気持ちがうかがえました。
■実は、私の知り合いのご家族のなかで既に数組、欧米やアジアなど
海外の地で子供さんの教育を受けさせている、または受けさせたいと
思って検討している方々がいらっしゃいます。
その親御さんの気持ちとしては、これからますますグローバル化する
時代に英語や中国語などの語学を習得させておきたいということや
国際人としての感覚を身に付けさせたいということがあるようです。
また、小さいころから多感な時期を共に過ごした友人の存在や教育
環境は子供の人格形成に何ものにも代えがたい大きな影響を与えると
いうことを、親御さんたちも感じていらっしゃるのではないかと思います。
■一方で子供を海外留学させるためには、その代償を払うことを
それなりに覚悟しなければなりません。
経済的なことはもとより、子供ひとりで寄宿舎等に入れて親子
離れ離れの生活を選択をするのか、親が日本での生活を捨ててでも
子供と海外での生活をするのかなど、究極の選択をする必要があります。
また、もし海外へ行ったとしても、現地での生活環境や人間関係に
うまく順応できるかという不安も残ります。
■しかし、その一方で、知識優先の詰込み主義で考える力をつける
ことに力を注いで来なかった日本の教育制度に疑問を感じ、偏差値の
高い大学や大企業に入ったとしても、必ずしも本人の幸せにつながって
いないと感じる人も少なからず出てきている日本の実態が今浮き彫り
になっているようにも思います。
また、一昨年の大震災以降、日本のカントリーリスクを感じる人が
急激に増えているようで、老後設計も含めて日本に住み続けることの
是非にまで考えをおよぼす人達が少なからずいることもまた事実です。
そういう意味では、子供の教育や進路を親が考えるとき、同時に自分の
人生設計と連動させながら、ものごとの表の部分とその反動の裏に
隠れている部分にも着目しつつ、ものごとを判断していかないといけない
ということかも知れません。
■現代社会では、自分の生き方を選択するにも国際的にいろいろなこと
が複雑に絡み合っており、たとえ日本で生活していたとしても、
日本特有の今までの価値観だけで物事を考えていては、大きな変化に
対応できないことになるのではないかという危惧を私自身、実は現在
持っています。
これは、あくまでも私見でおこがましいことを言うようで恐縮ですが、
本来教育で一番大切なことは、自分の人生を自分で選択する責任と
意思を持たせるということではないかと、最近つくづく思うように
なってきました。
そのために親ができること、それはどんなことがあるのでしょう?
■偉そうなことを書きましたが、子供が小さい時から仕事にかまけて、
一緒に過ごす時間をとってこなかった反省を込めて、また多くの人の
人生設計に何がしかの形で携わるものとして、今日は子供の教育に
ついてのお話を少しさせていただきました。
教育というのは、子供に対しても後輩や部下に対しても決して一筋縄で
いくものではなく、本当に難しい、ただそれだけにやりがいのある
ことですね。
では、今日のところはこの辺で。
次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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長男との早朝対話を始めてほぼ2週間が経ち、長男の様子に少し
ずつではありますが、変化の兆しが見えてきたように思います。
日頃、あれだけ大きな声で起こしても、一向に起きてこなかった
息子が、朝5時頃にひと声かけるだけで、すっと起きてくるように
なったのは、我が家の七不思議に挙げてもおかしくない現象です。(笑)
また、ダイニングの椅子を私の書斎に運んできて、神妙な顔をして
私の前に座っている姿は少し滑稽ですらあるのですが、こちらは
そんな素振りをおくびにも出さず、おもむろに口を開きます。
「昨日お父さん、どんなこと話したっけ?」
日頃、長男から発せられる言葉は、「べつに」とか「まあまあ」と
いった無関心を取りつくろう単語のオンパレードだったのですが、
昨日の記憶を呼び起こしながら彼なりに短くはありますが、
それなりに要約した言葉が返ってくるようになりました。
「で、今日はどんな話が聞きたい?」
と、また水を向けると、
「昨日の話の続き」という言葉が、お決まりのように返ってきます。
「そうか、お父さんが歩んできた人生についての話やな」
ということで、昨日は私がソニー生命に転職した頃の話と、この仕事を
どんな気持ちでやっているのかということを話しました。
そして、私が思い立って、今週末二人で街に出掛けようかと提案した処
「いいよ」のひと言。
さて、今週末どこに行こうか。
ちょっと楽しみな週末になりそうです。