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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2013年3月29日【第69号】生命保険 どこから入る?
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【ライフナビ通信 第69号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【生命保険 どこから入る?】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【生命保険 どこから入る?】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
先週、このメルマガで全国のFP仲間でつくった「キーストーン
アライアンス」という組織のお話をさせていただきましたが、
実はもうひとつ弊社が主催している会がありまして。
こちらは、かれこれ11年続いている「キーストーン倶楽部」と
いう経営者仲間が集まる交流会組織で、年に何度かセミナー
と懇親会を開催しています。
その会を、今週久しぶりに開催しました。
今回のテーマは、「経営者の事業承継」についての話で、参加者の
みなさんもとても関心を持っていただいたようで、大変好評でした。
また、セミナーの内容もさることながらここに集まる経営者の方々の
もう一つの楽しみは、懇親会でのメンバー間の交流の時間。
やはり、人と人とが「つながり合っている」と感じ合える時間は、
経営者にとっても欠かせないものなのでしょう。
考えてみれば、弊社キーストーンは、人と人との「つながりの場」を
提供させていただくことも、ひとつの仕事のように感じます。
そういう意味でいうと、このメルマガも皆さんと弊社との「つながり」
を保つ役割を果たしているのかも知れませんね。
さて、そろそろ今日の本題に入ります。
本日は、最近の生命保険のトピックスについて、少しお話をさせて
いただこうと思います。
題して、
【生命保険 どこから入る?】
それでは、どうぞ。
■最近、生命保険(業界)がマスメディアからある意味で注目を集めて
いるようです。
某週刊誌の最近の特集では、「もう騙されない保険選び」という物騒な
タイトルが踊り、日経新聞の記事やNHKのニュースなどでも生命保険の
販売手法について、問題指摘する報道が目立ち始めています。
今週、3月27日付の日経新聞朝刊でも、「生命保険 どこから入る?」
という見出しの記事が載っていましたが、記事の中で着目されている
生保販売の問題について、ここで少し見てみましょう。
■生命保険業界というと、昔は生保レディに代表される1社専属社員に
よる訪問型営業が主流でしたが、近頃は保険ショップや銀行窓販など、
複数の生命保険会社の商品を扱えるいわゆる乗合代理店や、そもそも
販売職員を持たないネット通販といった新しい形態による販売が急速に
シェアを広げています。
ちなみに私どもも生保の取り扱いにおいて、業界ではプロ代理店という
括りで呼ばれており、乗合代理店のグループに属します。
消費者から見ると、1社だけの商品を扱う人から購入するより、さまざま
な会社の商品が選べた方がより好ましいということで、生保業界での
この流れはますます加速するのではないでしょうか。
■ただ、消費者で生命保険の専門知識を持っている人はまだまだ少ない
のが実情で、保険選びは販売する側の提案に依存することになりがちです。
そこで、この記事で指摘しているのが、販売サイドである乗合代理店に
とって都合のいい手数料の高い保険商品を消費者に売りつけるような
ことをしていないかということ。
実際いくつかのメディアで、一部の保険ショップなどが手数料の高い特定の
保険会社の保険商品を消費者に推奨している実態を示唆した記事を載せ
ていましたが、同じ保険を扱う人間としてはとても残念な気がします。
本来、生命保険やFPという仕事は、顧客と長いお付き合いを前提としており、
顧客との信頼関係をベースにビジネスが成り立っていると個人的には思って
います。
■目先の収益と長期的な顧客との信頼関係、どちらが大事かというと?
ビジネス的にはきれいごとでは片づけられないなかなか難しい問題です。
でも、顧客との信頼関係を失ってビジネスが長続きしないリスクを考えれば
答えはおのずと見えてくるはず。
■そもそも、この仕事の醍醐味は、顧客から商品提案のすべてを任せたい
と言ってもらえることだと私は考えています。
それだけにその責任の重みを感じ、倫理観を持って仕事に向き合っていか
ないといけないと日々実感しています。
顧客がまだ気づいていないライフプラン上の潜在的なリスクを探り、あくまで
顧客優先で将来まで見据えて最適だと自信を持ってお奨めできる商品提案
をして、顧客から喜んでいただく。
■生命保険だけではなく、資産設計全般にわたって顧客とのそんな信頼関係
のなかで、仕事ができるのがある意味で理想的な形ではないでしょうか。
そういう段階に入れば、「生命保険はどこから入る?」という議論には、もはや
ならずに、「ライフプランニング全般をどこに託すか?」という話になるように
思うのです。
生命保険業界の流れも今後ますますダイナミックな変化が起こりそうな気配を
感じます。
■その昔、家電業界が1社専属の家電ショップから始まり、今では大手の家電
量販店しか生き残れなくなってきたように、いやその家電量販店ですら家電の
販売だけでは生き残れなくなってきているように、生保業界も大きな変革を
求められている時代に入ってきていると言えるでしょう。
また、一方で高度成長期の日本では、規模の大きさが企業の強さをあらわして
いたと言えましたが、シャープやパナソニックなどの事例を見ると今の時代は
規模の大きさが、むしろ大きなリスクになることもあるかも知れません。
そんななかで、弊社のような小さな会社がどのような強みを出せばいいのか?
■どんな時代になろうとも、顧客の近くで寄り添いライフナビゲーターとしての
役割をしっかり果たしていく。
「なんだ。結局そこに戻るのか!」とみなさんからツッコミを入れられそうですが、
私たちが出来ることは、愚直にそこを外さず、時代の半歩先を見据えてただ
進んでいくことに尽きるように思います。
今回のメルマガは、最後は自社のPRのようなかたちに向ってしまいましたが、
心の赴くままについついこんな流れになってしまいました。
何とぞ、お許しのほどを。
では、今日のところはこの辺で。
次回号は、来週にまたお届けいたします。
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◎【編集後記】
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今回は、生保業界という少し大きな視点でメルマガを書き出し
ましたが、時代の変化というのは、日々の動きの中ではあまり
気付かないことでも、過ぎ去ってみると大変革が起こっていた
ということが、多々あるように思います。
家電業界は、その最たるものかも知れませんね。
例えば色黒テレビが、日本のお茶の間の主役になったのは、
たかだか50年前のお話。
そのころは、たしかテレビの上にはビクターの首をかしげた犬の
マスコットが鎮座していたような記憶があるのですが。
それが、テレビはカラーの時代(ちなみにうちは日立製)に変わり、
トリニトロンでソニーが躍進し、プラズマでパナソニックがソニーに
対抗し、数年前は液晶でシャープが世界ブランドになった。
でも、今テレビの世界で何が起こっているか?
そのどれもが今では苦境に立たされ、世界市場では韓国メーカー
の後塵を拝するにいたっています。
これからは、生保業界や金融の世界でも大きな波がやってきそう
だと、個人的には強く感じています。
時代の半歩先を見て、次の一手を打っていくのが経営者の仕事
なんですが、そこがほんとに難しいですよね。