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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
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※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2013年2月15日【第66号】二宮尊徳は時代の先を読む達人だった!
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【ライフナビ通信 第66号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【二宮尊徳は時代の先を読む達人だった!】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【二宮尊徳は時代の先を読む達人だった!】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
前回、このメルマガで取り上げた「資産形成とダイエット」に
ついてのお話。
実は、弊社スタッフの間でも、多少響く部分があった
ようでして。
前回も登場した弊社のバックヤードのかなめの仕事をして
いる門が、レコーディング(食べた物を記録する)ダイエットを
始めたようなのです。
もともとドラえもん体型だった門が、長時間のデスクワークで
甘い物の誘惑についつい手が伸びてしまい。
この1年で、スタッフメンバーからトトロ体型に成長したとまで
揶揄されるに至って、本人も期するところがあったのでしょうか。
年始の抱負発表の際、「体重5%オフ」を宣言!
5%が何キロを意味するのかは不明ですが、とにかく
彼は目標を行動に落とし込んで、日々実践しているようです。
その門と新人の北と私の3名で昨日昼食に行ったのですが、
若い北の「今日はお腹がすいたのでガッツリいきたいですね」
の一言で、ランチバイキングの店に行くことに決定。
ダイエット中の門には、いささか酷な感じがしましたが、
何食わぬ顔で同意し、自分の皿におかずを取り分けていました。
でも、彼が皿に盛ったおかずの量は、今までの40%オフくらい。
いやはや、目標を顕在意識に置くことの効果はやはり大きい。
現時点で効果が結果に表れているかはあえて聞いていませんが、
このぶんで行けば、年末を待たずに目標は達成されるでしょう。
ということで、そろそろ本題に。
本日は、先の見えない時代に時代の先を読むことの重要性に
ついて、触れてみたいと思います。
題して、
【二宮尊徳は時代の先を読む達人だった!】
それでは、どうぞ。
■先日、私がいつもお世話になっている顧問税理士さんから
大変貴重なDVDをいただきました。
DVDの内容は、その税理士事務所さんが今年の1月に主催された
新春セミナーを録画されたものだったのですが、講演者のお話が
素晴らしかったので、少し紹介させていただきたいと思います。
その講演者は中桐万里子さんという方で、二宮尊徳の7代目の子孫
にあたる方だそうです。
■中桐さんは、現在国際二宮尊徳思想学会の常務理事を務められ
二宮尊徳の思想を世に広く伝えるという活動をされています。
講演の中で、中桐さんは二宮尊徳という偉人の人間像について、
一般的にはあまり知られていない側面についても語られました。
二宮尊徳(金次郎)というと、小学校の校庭で見かけたあの薪を担ぎ
読書をしている銅像がまず思い浮かぶ人も多いと思います。
■そのイメージから、二宮尊徳は労働の合間を縫ってでも学問に
いそしむ「勤勉」という印象がとても強いかも知れませんが、実際は
学業よりも実践を重視するとても活動的な人物だったようです。
尊徳は、江戸時代の末期におもに北関東一円の農村の村おこしを
したことで、その功績が世に認められた人でした。
江戸末期と言うと大地震を始めとする自然災害が頻発し、歴史的にも
幕末から維新にかけて、日本全体が混迷を極めたまさしく今の時代と
相通ずる時代感があった時期だったと言えます。
■その江戸末期のある農村でのエピソードを中桐さんは、とても実感を
込めて話されました。
ある日、尊徳が食事をしている時、出てきたなすの漬物の味が、例年と
違うことに気づきます。
長年農業を営んできた経験値でしょうか、そのなすの味だけで、今年は
類まれなる冷夏が来ることを予見した尊徳は、農民に今耕している米を
処分させ、ひえや粟、大根などの寒さに強い作物に植え替えさせました。
■普通なら、作物で一番貴重な米を捨て、タダ同然のひえや粟を耕す
ことでどれだけ経済的な打撃をこうむるかを考えると、なかなかそんな
決断をするのは難しいでしょうが、尊徳はそれでも英断しました。
その結果、何が起こったか。
その年から世にいう天保の大飢饉が起こり、全国各地が飢餓状態に
陥るなか、この地の農民を飢餓から救うことができたのです。
■なすの漬物の味の違いを感じ取り、飢饉を予測した尊徳の優れた
先見性について、中桐さんはさらに話を続けます。
尊徳が優れていた点は、世の中で今何が起こっているのかについて、
しっかりと現実を見る観察力とそこからどんなメッセージを受け取れる
かという感受性にある、というようなことを中桐さんはお話しされていました。
人は得てして受け入れたくない現実に目を背けたくなる習性があるが、
尊徳はそれをしっかり受け入れ、そのうえで対策を考え、果敢に実践
実行に移せる行動力があった。
■世の中がひっくり返るような出来事が起こる時には、事前にそれに
関係したいくつかの小さな出来事も起こっており、それらを早い段階で
察知する能力が必要なのかも知れません。
時代のターニングポイントとなるシグナルにどれだけ敏感にいられるか。
様々な情報を関連付けて、それらをどのように読み解くか。
■これらの能力は、現代のように地球規模で世界が複雑に絡みあった
時代にこそ、とても重要になっているように思います。
今、アベノミクスによって起こっている円安、株高の流れはいつまで続き、
そのあとにどのような事態が待っているのか?
中国や北朝鮮の軍事的脅威は、どのような形で収束していくのか?
■物事を楽観・悲観のどちらかで片づけるのではなく、
事実を事実として受け止め、将来起こりうることの対策を事前に考え、
来るべき時に果敢に実行する。
今こそ、二宮尊徳のような先見性と行動力も求められているのかも
知れません。
みなさんは、今の時代をどのような切り口で読み解かれますか?
以上、本日は二宮尊徳の7代目子孫にあたる中桐万里子さんの
講演DVDからのお話でした。
では、今日のところはこの辺で。
次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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実は今週、中桐さんのDVDの講演を見させていただくとともに
もうひとつ、講演会に行ってまいりました。
以前にもこのメルマガで紹介させていただいた経営コンサルタント
の神田昌典さんの講演で、テーマは「2013年飛躍する人の条件」
という内容。
これからの時代を読み取るうえで、こちらもとても参考になりました。
特に衝撃だったのは、今年2013年は、ある日を境として、前半と
後半では、潮目がまったく変わってしまうという内容でした。
神田さんの話によりますと
「今年前半は世の中全体が活発に活動
する時期だが、後半はその流れがピタリと止まる」
前半のうちにしっかりアクションを起こせている人は、後半もその
流れを続けることができるけど、前半動けていない人が後半に行動
を起こそうとしても、なかなか動き出すことを難しいというお話も。
これは、占星術にもとづいたお話ということで、信じるかどうかは
本人次第ではありますが、こちらのキーワードもまずは行動を
起こしなさいということでしょうか。
二宮尊徳さんも神田昌典さんも先見性、理論派、実践主義と言う
点で共通点が多く、奇しくも同じタイミングで同じような話を聞けた
のも何か巡り合わせのようなものを感じました。