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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
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※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2012年11月16日【第59号】混迷の時代を生きていくのに必要なものは?
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【ライフナビ通信 第59号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【混迷の時代を生きていくのに必要なものは?】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【混迷の時代を生きていくのに必要なものは?】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
今年も残すところ、あと1か月半。
何かと慌ただしくなる時期にさしかかってきましたが、
今年の年末は、その慌ただしさに拍車がかかりそうですね。
野田首相が衆議院解散・総選挙の決断をされましたが、
これからの日本はどうなっていくのでしょうか?
12月16日(日)、東京都知事選と同日選挙ということですが、
年明けに誰がこの国とそして首都である東京のリーダーに
なっているのかが、まったくわからない様相を呈しています。
これから2・3年の間、日本および世界は深い混迷の時期を
迎えるであろうと、以前より有識者が語っているのを聞いて
いましたが、まさしくその通りになりつつあるように思います。
この混迷の時期を個人として、どのように乗り切っていくのか?
しっかりとした指針を立てながら、時代という荒波に呑み込まれ
ないように生きていく『智慧』が必要なのかも知れません。
本日は、かなり大上段に構えた話の展開になるかも知れません
が、敢えて心の赴くままに書き進めていきたいと思います。
題して、
【混迷の時代を生きていくのに必要なものは?】
それではどうぞ。
■冒頭、私は混迷の時期を乗り切るのに、「時代という荒波に
呑み込まれないように生きる『智慧』が必要なのかも知れません」
とお伝えしました。
私が偉そうに『智慧』が必要などと語るのは甚だおこがましいとは
思いますし、決して私に智慧があると言いたい訳ではありません。
むしろ、自分のいたらなさを痛感する場面と向き合うたびに日々
落ち込み、「自分にもう少し許容力や智慧が備わっていたら人生を
もっと上手く生きられるのに」と自らを省みることもしばしばあります。
■そんな私が、このメルマガで敢えて『智慧』が必要かも知れません
と書かせていただいた理由を少し触れせていただこうと思います。
そもそも、『ちえ』と言う漢字には、『知恵』という字と『智慧』という
字がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
インターネット検索で調べた上で、私なりの解釈を加えてみました。
■まずは、こちらの『知恵』について。
『知恵』とは、自分が今まで培ってきた「知識」や「経験」を駆使して
自分自身の中で導き出される考えのこと。
つまり、『知恵』の根源は、その人自身の心の中から生じるもので
多くの知識や経験を重ねていくことで、『知恵』にも深まりや広がりが
出て、悩み事を解決する際にもまさしく良い知恵が浮かぶということに
なるのだと思います。
昔、日本の村社会やインディアンの原住民の間などで、長老が尊敬
されていたと言うのは、知識・経験という得難い『知恵』があったからと
考えると、なんとなく理解できるのではないでしょうか。
■その点、現代の情報化社会では、テレビやインターネットなどから
知識や(疑似)経験が大量に得られるようになったことで、『知恵』を
もつ高齢者に対する尊敬の念が薄れてきたのかも知れません。
また、現代社会でとりわけ混迷を深める今のような時代のなかで、良い
知恵を得ようとするために、知識や経験をただ単に重ねるというだけでは
なかなか難しい側面があるようにも思います。
特に今問題視されている日本の詰込み型の教育制度では、知識を知恵に
変えるための考える力自体が奪われてしまっているように感じます。
■要するに『知恵』とは自分の知識や経験によって、問題を解決していく
考えのあり方であるように思うのですが、今の時代は、どんなに『知恵』を
絞っても解決に導くには大変難しい問題が山積しているように思います。
日本の財政問題や年金制度しかり。
周辺諸国との領土問題しかり。
景気低迷や国内産業の空洞化しかり。
■解決の糸口がなかなか見えない日本や世界情勢のなかで、日本に限らず
世界の政治や経済の状況がますます混迷の度合いを深めている。
先進諸国を中心に、難しい問題が複雑に絡み合う今の状況は抜き差しならない
ところまで来ているのかも知れません。
こんな大仰なことを言ってしまうと、さやの収めどころに困ってしまいますが、
特に今の日本や諸外国の情勢を見ていると、そう感じているのは私だけでは
ないように思いますが、いかがでしょうか。
■一方、『智慧』という言葉の意味を探ってみますと、『智慧』とは、仏教用語の
ひとつで、物事の道理を判断し処理していく心の働き。これによって執着や愛憎
などの煩悩(ぼんのう)を消滅させることができる、とあります。
それぞれの利害関係や思惑があるなかで、『知恵』を使って物事を進めようと
しても、対立する人間(国際)関係のなかでは、双方にとって最善な解決案を
探ることがとても難しい状況が多々あるでしょう。
しかし、それぞれが煩悩を取り除く『智慧』を使って、互いに互いの立場を理解し
認め合うことで、状況が一変するということも、起こり得るのではないでしょうか。
■『知恵』のレベルというのは、理性的な判断。
『智慧』のレベルになると、道徳観や大局観といった観点から物事を判断し、
行動することになるので、ずっと生き方が楽になるようにも思えます。
でも、人間の煩悩を捨て、道徳的に物事を考え行動するというのは、並大抵の
ことではないというのも、これまた事実。
■しかし、時代が混迷すればするほど、この『智慧』のレベルで行動できる人が
結果的に良い人生を歩めるように思えますが、皆さんはいかが思われますか?
以上、本日は人生を上手に生きる『智慧』についてのお話をさせていただきました。
では、次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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本日の『知恵』を『智慧』のレベルに高めるというお話。
いかがでしたでしょうか?
かく言う私は、日々の人間関係のなかで、執着や煩悩を
捨てきれず、ついついわだかまりを残してしまうことも
しばしばあり、反省多き日々を過ごしています。
『知恵』のレベルで理性的にこちらの主張を通したとしても
感性レベルで共感してもらわなければ、結果的に良い人間
関係は築けない。
頭でわかっていても、なかなか難しいものですね。
まさしく『知恵』のレベルから『智慧』のレベルに引き上げる
ために日々修行中といったところでしょうか。