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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2012年3月30日【第41号】「おくられびと」の人生を想う
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【ライフナビ通信 第41号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【「おくられびと」の人生を想う】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【「おくられびと」の人生を想う】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
前回このメルマガで弊社社員の卒業について触れましたが、
実は先週末にもうひとつの大きな“別れ”を経験しました。
実父との今生の別れ。
“別れ”というのは、いくつになってもつらいものですね。
日常の風景からその人の存在の部分だけ、ぽっかりと
穴が空くというか。
日頃あまり意識していなかったことも、失うことによって
その有難さに気づかされることがしばしばあります。
大正生まれの実直で気骨ある父の生き様が、葬儀を通して
私の心の中に走馬灯のように駆け巡っていました。
父の人生とは、どんなものだったのだろう?
・・・
今日は、亡くなった人を送る家族の立場で、人生について
考えてみたいと思います。
題して、
【「おくられびと」の人生を想う】
それでは、どうぞ。
■3月23日金曜日、午前4時10分。
享年89歳。
父は病院で静かに息を引き取りました。
死亡診断名、『老衰』。
大往生と言っても良い最期だったと思います。
■ほぼ寝たきりになって、自宅で1年、病院で1年。
その前の介護期間を含め、ほぼ3年の介護生活を
経ての旅立ち。
奇しくも3年というのは、死ぬまでの日本人男性の
平均介護期間と一致します。
(厚生労働省調べ。女性の平均介護期間は6.5年)
■「人に迷惑をかけてまで、長生きしたくない。」
常々そう口癖のように言っていた父としては、3年の介護
生活は不本意だったかも知れません。
ただ、残された家族(特に母)にとっては、心の準備や
父への思いを深める期間としては、適切な時間だった
ように今となっては思えます。
■「お葬式はどうしよう。」
家族のなかでタブー視されていたそんな話ができたのは、
父が亡くなる3日くらい前だったでしょうか。
昨年、91歳になる叔母を看取った従姉(いとこ)のアドバイス
を参考に、父の意思も尊重し家族葬とすることに。
■葬儀に関して、最近身内だけの家族葬というスタイルが
かなり一般化してきているようです。
家族葬については、賛否両論あるかも知れませんが、
今回の私たちの選択はとても良かったかなと思っています。
葬儀の間、しっかり故人と向き合う時間が取れたことが、
家族にとってとても貴重に思えました。
■父がどんな人生を過ごし、どんな価値観を持って生きてきたか。
どんなものが好きで、どんな趣味を持って、どんな人と付き合って
きたか。
家族での思い出やエピソードは?
そして、家族に伝えたかった父の願いはどんなことだったのか?
■そんな話を家族でしていると、あたかも子供時代に戻った
かのような家族の関係が蘇ったように思います。
父を失ったことで、残された母を支えあっていこうという
気運が兄弟でさらに芽生えたこと。
そういう意味では、父の死が家族の絆を再生させてくれた
のかも知れません。
■告別式当日は、雨~曇天~快晴を繰り返す印象的な一日でした。
まるで波乱万丈な父の一生を象徴するかのように。
本日は、少し個人的な話題に終始してしまった感がありますが、
人生の終わり方について、多少なりともご参考になればと思い
お話させていただきました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
では、次回【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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本日は、普段あまり話題になりにくいお葬式について、
取り上げさせていただきました。
今回、個人的に初めてお葬式に参列する側から
お葬式をあげる側になったのですが、とても多くの
気付きがありました。
まず、葬儀屋さんという仕事について。
ことが起こってからたった2、3日で人生の一大事を
完結させてしまうこの仕事。
しかも基本的には事前予約なしで当日、それも24時間
体制で待ったなし。
結構過酷な仕事だと思いますが、段取りをポンポンと
決めていく手際の良さに感動しました。
また、看病疲れで憔悴しきった遺族相手に、相場がわかり
にくい価格で見積もりを勧めていくのですから、基本的
には売り手優位のビジネスだと思えるのですが。
私たち家族が選定させていただいた葬儀屋さんは、
とても親切で良心的でした。
また、映画「おくりびと」で一躍有名になった納棺師。
うちの父もお世話になったのですが、遺族にとっては
とても嬉しいサービスだと感じました。
故人の全身(洗髪含む)をシャワーで洗い、白装束への
着替え、そしてうっすらと生気が蘇る化粧を施し、納棺
してくれる。
おかげさまで、通夜から告別式、そして出棺まで
安らかなきれいな顔のまま見送ることができました。
世の中、あまり目立たないけど人から感謝される仕事って
いっぱいあるものですね。