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■キーストーン通信
相続や事業承継対策をお考えの方に知っていただきたいテーマを取り上げ、税理士・司法書士がわかりやすく解説しています。
執筆いただいているのは、相続・事業承継案件を数多く手がけ現場を知り尽くしている先生方です。
愛和税理士法人 代表税理士 岡田 隆先生
愛和税理士法人 社員税理士 戸﨑健志先生
杠(ゆずりは)グループ 代表/司法書士 川原田 慶太先生
※2022年10月、司法書士法人おおさか法務事務所から、
杠司法書士法人及び司法書士法人ゆずりは後見センターへ改組しました。
■ライフナビ通信
事業承継・相続対策・ライフプランニングにまつわるお話し、その時々に思うこと・感じること・伝えたいことを各人のことばで綴っています。
2010年10月創刊号から2018年7月までは代表石野が、以降はコンサルタントやスタッフが持ち回りで執筆しました。
2011年12月2日【第33号】人生の晩年期をいかに迎えるか
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【ライフナビ通信 第33号】
~人生百年時代を豊かに生きる~
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目次
◎今日のテーマ
【人生の晩年期をいかに迎えるか】
◎編集後記
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◎今日のテーマ
【人生の晩年期をいかに迎えるか】
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こんにちは!
キーストーンFPコンサルタンツ代表の石野です。
師走に入り、早いもので今年も残すところ
あとわずかになりましたね。
2011年はどんな年でしたでしょうか?
私は、毎年この時期から年明けの1月にかけて
「1年の振り返りと新年のテーマづくり」に
約2か月がかりでとりかかるようにしています。
ちなみに私が年初に立てた今年のテーマは、
「過去の価値観や成果を手放し、できるだけシンプルに・・・」
というものでした。
自分のなかでは、チーム力を上げるために自分の価値観を
スタッフに押し付けることのないように心がけたつもりでしたが、
なかなか難しいものですね。
先々月の10月までは、社長である自分の思いがついつい先行し、
コミュニケーションがぎくしゃくすることもしばしばありました。
そんな“ぎくしゃく”を解消するために11月初めに開いた
社内会議。
会議は深夜にまで及んだのですが、この会議が転機となって
11月は業績が大きく伸び、今年一番の売り上げを達成できました。
「何が良かったのか?」
とてもシンプルですが、この会議では私が起点になる発言は一切
せず、ただただ聞き役に徹してスタッフの意見に耳を傾けたこと。
そして、彼らの自主性を尊重し、裁量を委譲し自由に行動させた
とたんに売り上げが急激に上がり始めました。
不思議なものですが、私が“何か”を手放したことで、大きな成果を
得たように思います。
この“何か”が何であるのかは、うまく言い表わせませんが、
間違いなく今年一番の学びがありました。
人間いくつになっても学びの連続なんですね。
さて、ここ数回にわたってお伝えしてきた老後設計についての
テーマも今回でひと区切りにさせていただこうと思います。
本日は、少しだけ重いテーマです。
題して、
【人生の晩年期をいかに迎えるか】
それでは、どうぞ。
■前回は、うちの家内の両親が海外クルーズにハマッている
という話題に触れさせていただきましたが、
今回は私の両親の話を少しさせていただこう思います。
■私の父は、大正13年7月生まれの現在87歳。
昨年あたりから足腰が弱り始め、自宅で在宅ケアを受けながら
介護生活を送っていました。
■当初は、週2日程度入浴や食事の世話をしてくれるケアハウスの
送迎サービスを受けていたのですが、
元来の人付き合いをあまり好まない性格ゆえ、デイケアに行くことも
次第に億劫がり、今年の年初あたりからは、ほぼ自宅のベッドでの
寝たきり生活になっていました。
■そうなると、実家でふたりで暮らしている母(79歳)に介護の負担が
重くのしかかり、
食事やトイレの世話をはじめ、24時間目を離すことができなくなり、
ついには今年3月、母の方が体調を崩してダウン。
■本来なら息子である私か兄に連絡して、助けを求めるところ
でしょうが、高熱を出していたためその気力もなかったようで、
2日ほど父・母ともに床に伏した状態で、様子を見に来た担当の
ケアマネージャーさんがその状態を発見。
父はその間トイレにも行けず、尿路感染症にかかり、高熱を出して
いたので、すぐに救急車を呼んでくれて近くの病院に緊急入院。
やっとその段階で私に連絡が入ったという状況でした。
■ある意味、その病院にはいれたことで、母の負担が軽減され、
少し落ち着きを取り戻せたのですが、その後もいろいろ難題が。
■まずは、病院の受け入れ態勢の問題。
父の入院が3ヶ月を超えようかという段階になって、病院側から
申し訳なさそうに退院(転院)要請の話が…
今の健康保険制度では、これ以上長期の入院はさせては
くれないとのこと。
■それでも何とか病院が紹介してくれた終末医療を中心とした
病院に転院することができ、今に至っているのですが、
転院した病院は個室しか空いていないということで、毎月の
入院にかかる負担はそれなりの額となり。
加えて今までの病院よりは、実家からも離れて不便なところに
あるので、母が父の面会に頻繁に行くこともままならず。
■そんなこんなのなか、父の様態もさることながら、母が精神的に
参っていてかなり混乱をきたしている様子。
昨年まで、あれだけ気丈だった母がひとり暮らしの心細さからか
物忘れや判断力が相当鈍くなっているようで、お金の管理や
火の始末などが特に気がかりです。
■さて、前回、今回と2回にわたった私の身内の話はここまでと
して、私なりに老後に対するを考えを少し。
■引退後身体が元気でいきいき活動できる時期は人生謳歌期と
いうこともできるでしょうが、
その後身体や頭が衰えて介護や人のサポートが必要になる時期も
かなりの可能性で迎えることも事実。
その両方の時期を過ごすことを前提にご自身のライフプランを
考えておくこともとても重要ですね。
■目の前に起こっている“今”の瞬間を大切に生きることも
非常に大事ですが、
自分が将来かなりの可能性で起こることも想定しながら、
ライフプランを考えていけばきっと何かが変わるはず。
■遠い(近い)未来のことなど、なかなか考える時間がないと
思われるかもしれませんが、
この年末年始でちょっとご自身のライフプランについて考える
時間をもたれてみてはいかがでしょうか?
その際は、きっと私たちの経験値が役に立つと思いますので、
お気軽に相談してみてください。
それでは次回、【ライフナビ通信】をお楽しみに。
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◎【編集後記】
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父が入院した3月以降、母と一緒に週末に病院に車で
見舞いに行くようになってほぼ10か月。
日頃、土日もなく仕事漬けの日々をここ数年来続けてきた
私が毎週休みを取るようになった理由が、父の見舞いと
言うのは何とも皮肉なものですが。(汗)
それはそれで、新鮮な感覚もあるもので。
先週は、見舞いの合間に病院の近くにある紅葉の名所である
有馬瑞宝寺公園に行ってきました。
瑞宝寺公園の紅葉写真です。↓
http://kobe-mari.maxs.jp/arima/zuihoji.htm
瑞宝寺は太閤秀吉と千利休がたびたび茶会を催したことで
有名で、悠久の歴史を感じながらしばし憩いのひと時を。
また、見舞いの帰りに母とふたりで銭湯に行くこともほぼ習慣
となり、これまで育ててくれた感謝の気持ちを込めて、週末の
ささやかな親孝行を楽しんでいます。
でも、自分の老後をイメージするのは、やはり一番身近な
両親の生き方を見るのが一番参考になるのかも知れませんね。